繰り返される暗黒時代のとき。
日本球界では本日31日から交流戦が始まる。またパ・リーグがセ・リーグを圧倒するのではないかという話も聞くが、今年こそは互角の戦いをしてほしい。段々と試合数が減少しているのは残念だが、これはこれで楽しみだ。
その一方でオールスター戦のファン投票も開始している。巨人ファンの友人は「ほぼジャイアンツの選手に投票しました」と嬉しそうに言っていた。人それぞれ好きな球団があり、応援している選手に出場してほしいと思うのは自然の流れだ。自身はまだ投票していないが、交流戦の開始とともに誰が選ばれるのかも気になるところでもある。
実は台湾でも同様にファン投票が始まっている。4球団しかない分、選手が限られそうだがオールスターと銘打っている以上は楽しみなはずだ。この気持ちはどこの国でも変わらない。しかし、投票についてある問題が持ち上がっている。
写真:台湾プロ野球オールスターの挑発ポスター
(出典:CPBL中華職棒 https://www.facebook.com/heartbaseball/?fref=ts)
それは球団ぐるみでの組織票疑惑だ。事の始まりは29日、台北の新荘球場に行われた中信兄弟対Lamigoモンキーズの試合でのことだ。球場内には日本と同じように投票用紙が置かれており誰でも自由に投票することができる。しかし、肝心の用紙が不足していたのだ。
この日の入場者数は週末ということもあり1万人を超えたそうだ。 しかし、用意されたのはわずかに2000枚だけでほぼ投票することができなかったという。
連盟関係者の話によるとこの試合の前までは桃園国際球場に 置かれていた。桃園での試合は26日にあり、翌日27日からの新荘での3連戦に向けて移動していたはずだ。距離はそう遠くはなく、すぐに運び出せることも可能なはずだが、この少なさはなぜだろうか。
投票用紙は20万枚が用意され、試合日にはそれぞれの球場に置かれている。普段は連盟が管理する倉庫の中に保管されており、関係者しか中を開けることができない。今年の開催地である天母球場に多めに用紙が運ばれているか、管理できる中の人が作為的に何かをしたことが考えられる。
写真:昨年のプレミア12で侍ジャパンがメキシコと対戦した天母球場
今年はなぜか投票数が異常が伸びており、その数は例年の6倍にものぼる。今回の件でファンが連盟に直接抗議をしたという。他には球団ぐるみで組織票を投じたことも考えられる。現時点では連盟が疑われているが、真実はまだ不明だ。秘書長の朱康震氏は次のように語っている。
「 我々が連盟全体で1つの球団や選手に対して作為的に投票することは不可能だ。ファン自身が投票することは良いことだが、他球団のことを考えずに投票することはリーグやもちろん、選手やチームに対して失礼なことだ」
今年は台湾初のメジャーリーガーになった陳金鋒(Lamigo)の現役最後の年だ。彼は去る3月の侍ジャパンとの試合後には代表引退式を行ったほど現地では張泰山(徳島)と並ぶ、超有名人だ。ファンとしても打席に立つ姿を1日でも多く見たいはず。有終の美を飾りたいはずなのに最後のオールスターにこの疑惑が持ち上がるのは残念だろう。
用紙だと枚数制限がないためいくらでも投票できる。しかし、今回の疑惑が本当ならば組織票で選手が選ばれば何が、オールスターだと怒りを感じる。過去、八百長で球界全体の信用を落としたことがあるため、なおさらだ。
この問題を解決するには連盟側が投票用紙の枚数を増やせばよいだけのことだが、そう簡単にはいかないようだ。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/707797