2年越しの夢へ前進。
昨年のカン・ジョンホ(パイレーツ)の活躍で韓国人選手の評価が高まったメジャーリーグ。その勢いにのって今年はイ・デホ(マリナーズ)をはじめ、パク・ビョンホ(ツインズ)やキム・ヒョンス(オリオールズ)など代表チームで活躍した選手たちが新たに海を渡った。
今季オフも韓国球界から挑戦者が現れるのではないかと予想していたところ、今月になって既に心を決めている選手がいた。それは我々、日本でもおなじみのキム・グァンヒョン(SK)のことだ。昨年のプレミア12開幕戦で先発して惜しくも序盤で交代となり、敗戦投手になっている。
写真:プレミア12開幕戦で日本を相手に投げるキム・グァンヒョン
キム・グァンヒョンは今季で海外FAの資格を得る。実は2年前にポスティングで移籍を目指し、パドレスから入札を受けたものの金額面に納得がいかず断念している。今回は前回とは違い、制限を受けずに自由に交渉ができる。
今年は通算100勝を達成したが、ここまで5勝5敗 防御率3.14とエースとしては微妙と言える成績だ。最近では2連敗、5月中は勝ったり負けたりを繰り返して安定していない印象だ。それでもメジャーのスカウトからの評価は高いようだ。
ある球団関係者の話では最低2桁勝利を挙げればメジャーへの道が開けるという話もある。昨年は14勝しており、ケガがない限りは達成できる数字だ。
特にメジャー関係者が注目ポイントとして挙げているのは彼の球威だ。これまでの最高球速は149キロほどだったが、今年は3キロ以上もアップして155キロに迫ろうとしている。もちろん、持ち味は直球だけではない。昨年から投げるようになったチェンジアップがとても効果的で緩急でも打者と勝負できるようになったことだ。
これまでは直球とスライダーだけだったため、球種が増えて自信を深めたようだ。
アメリカで韓国人選手の価値が高まっていることは確か。国内リーグを代表する左腕は彼だけではない。ヤン・ヒョンジョン(KIA)もその1人だ。ヒョンジョンは09年の日韓クラブチャンピオンシップで巨人を相手に先発した経験を持つ。昨年は15勝したが、今年は1勝6敗 防御率3.98とこちらも苦しんでいる。
2人は同じエージェント会社に所属していることもあってメジャーとの交渉は円滑に進みそうだが、ここまでの成績を見る限りでは移籍が実現しても厳しいのではないだろうか。また、阪神が獲得を検討していることもあり、日本行きを選ぶのも1つの手だ。
まだヒョンジョンの意志は確認できてはいないが既にグァンヒョンのほうはメジャー移籍を心に決めているようだ。それまでに越えなければならないハードル(2桁勝利)があるも心配は不要だろう。
この件について長年、指導者を務めているキム・ソングン監督(ハンファ)は次のように語っている。
「グァンヒョンは国内最高の左腕だ。球威だけではなく、マウンド度胸も兼ね揃えている。それもメジャーでも有数な韓国人選手なのではないだろうか。移籍に期待したい」
ほぼ確実のメジャー移籍。まだオフの話であっても実現する日が少しずつ近づいている。日本人選手と対決する可能性もあり、今から楽しみだ。
出典元:
http://sports.news.naver.com/kbo/news/read.nhn?oid=076&aid=0002939229