ひたすら黄色の球を打つ。
15日深夜、無事に日本に帰国した。現段階では現地で撮影写真を整理しているため、取材したネタはまだ数多くある。あと4日ほどは台湾での話題を紹介することができるだろう。チアガールは最後にしようと考えている。
今回は友人に案内してもらった場所についてレポートする。今回、3地域で4試合を観てきたが、もちろん試合がないときも野球に関係する場所やものを探していた。訪れたのは台北の新荘に存在するバッティングセンターだ。
このバッティングセンターは工場が密集している中の一角に存在する。なぜここに建てられているのかというと土地の値段が安いからだそうだ。建物には台湾球界100勝を達成した潘威倫の姿が描かれていた。
その建物の後ろに目を向けるとなぜかブルペンがある。日本でいえばここはストラックアウトがあるのかと思うが立派なマウンドが見えた。残念ながら入ることができなかった。
そして、いよいよ中に入る。目の前に現れたのはトロフィーの数々だった。プロ野球で過去に存在した興農ブルズ(現義大)のロゴマークがあり、当時の所属選手のもののようだ。
ちなみにその横には日本でもお馴染みのあの選手のポスターも。
カウンターには山積みの黄色いボールが置いてあった。どうやらこの球を打つようだ。実際に打っていた少年や大人を観察していると確かに黄色だった。これなら見やすくミートもしやすい、工夫されている。
実際にバッティングケージに近づいてみると1番奥のところから順番に球速は100キロから120キロや130キロ、150キロと段々とスピードが上がっていく。入り口に近いゲージは野球ではなくソフトボール専用のものが置かれていた。
せっかく来たのだからと思い、自身も体験することに。しかし、ここで問題が起こる。左打ちである自身にとって困るのは打席が少ないのだ。なんとか見つけたのは120キロ。プレーヤーとしては小学生で終わっているため打てるのか心配になったものの、バットに当てることはできた。ここで日本と違う点を見つけた。
場所によって違うが、バッティングマシーン?に描かれているのは投手ではなくなぜか野手の姿だ。それはLamigoモンキーズの4番打者である林泓育だった。入り口側のソフトボールのゲージから奥に向かって少しずつスイングする姿があった。
球を投げる機械の精度は日本とまったく変わらなかった。
料金は1回で15元ほど。なぜか10球しか打つことができない。見た限りでは変化球ミックスのところはなかったため、ひたすら直球を打つことになる。なんだか損した気分になるが、球数が少ない分、スピードに目が慣れてくると熱中する人が出てきそうだ。
バッティングセンターの近くには球場もあるため、軽く汗を流してからプロ野球観戦に行くのもよし、自分がプレーするのもひたすら打ち込んで帰るのもよい。工場の中と聞いて想像していたものとはだいぶ違ったが立地条件はよいのかもしれない。
この新荘の場所は選手再生工場ならぬ、育成工場になりうるのだろうか。これから先、この場所に通った選手がプロになる日は来るのか。そんなワクワクする未来図を勝手に想像してその場を跡にした。