未知なる国の野球とは。
日本球界では明日から後半戦。気づけば早いものでシーズンの半分が終わってしまった。いつもならば韓国・台湾を中心にアジア野球の日々のニュースを発信するところではあるが、本日はひと休みしてインドのことについて書いてみる。
自身は今年2月下旬頃から時間を見つけてはアジア野球連盟に所属する国の関係者にコンタクトを試みている。すぐ反応がくるところもあれば、まったく反応がないところなどさまざまである。
その中でもよく連絡をくれるのはインドだ。連盟関係者だけではなく、代表チームの投手やコーチなどさまざまな立場の関係者から話や国内大会のお知らせが来る。日本ではまったくと言っていいほど取り上げられない国ではあるが、14年に映画にもなった「ミリオンダラー・アーム」のおかげでインドにも野球があると認知される機会になったことだろう。
国の人口は世界2位。パイレーツに入団したリンク・シンやディネシュ・パテルのようにクリケットや陸上など他スポーツから転向して新たな道を見いだした者もいる。向こうでは探せばまだまだ光る原石はいるのではないかと思っている。
最近、気になっている国の1つであるインド。去る12年のアジア選手権では世那(オリックス)擁する日本に勝利したり、昨年行われた西アジアカップでは3位に入るなど実力をつけている。また、男子だけではなく、女子野球も盛んで9月に韓国で開催されるワールドカップにも出場が決まっている。日本とは同じグループのため、対戦することは確実だ。ただし、その全貌は明かされていない。
現在掴んでいる情報によると代表選手選考合宿が行われているという。連盟のホームページを見ると選手達の練習風景や食事の写真が載せられていてこちらとしてもあまり選手個人の能力までは把握できていない。本番まではまだ時間があるが、正規メンバーでの練習を考えるとそろそろ決まってもよい頃だ。
女子野球も久々に表舞台に登場する。その一方で国内にはリトルリーグのチームもあるようで先日、韓国で開催されたワールドシリーズ予選にも出場していた。結果はすべてコールド負けの惨敗に終わっている。スコアでしか判断ができないが、個々の力はあるものの、戦術面で苦戦しているようで点は取るが後が続かないといった印象だ。
以前、連盟の副会長に話を聞いたが、国内には有能な指導者や道具がなく、ほぼボランティアで指導や道具調達を行っていると言っていた。ぜひ、日本の力を借りたいと話していたその数ヵ月後にあるニュースが飛び込んできた。韓国企業「LG電子」のインド支社が国内野球の発展に寄与すると発表したのだ。今年になって韓国は中国野球の発展協力や北・南米地域向けに試合動画配信サービスを開始し、海外市場の獲得に躍起になっている。今回の決定もその一環だろう。
まだ、その成果は出てはいない。しかし、数年後に急成長しそうな発展途上の国であることは間違いない。このままでいくと9月頃に直接、インドに赴くかもしれない。その時は現地レポートをお届けする。
