【日台交流】どしゃ降り・緊急搬送・試合中断。数多くの危機を乗り越えた統一と西武のコラボイベント

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どしゃ降りでも吠える獅子達

現在、台湾・台南に来ている。目的は統一ライオンズと西武ライオンズとのコラボイベントをレポートするためだ。7月から始まり本日31日をもってひとまず台湾でのPR活動は終わりだ。8月30,31日は西武プリンスドームで逆に統一を推したイベントが開催される。

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前日30日、人生初の台南に降り立ったがあいにくの雨で試合ができるかどうか微妙な状態だった。昼間はLamigoモンキーズの本拠地・桃園国際球場で台湾の猛暑を経験したために信じられないような天候の変化だ。球場の中に入る前に周辺の様子を調査した。

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これまで入手していた情報によると、今回に合わせ球場の装飾に西武のチームカラーの青が使われているというものがあったがまったく見当たらなかった。その代わりと言っては難だが、特設ステージ近くのスピーカーで西武の球団歌(7回裏開始前に流れる曲)が一定の間隔で流されていた。まずは雰囲気作りからということだろう。

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統一と西武の両球団は共に「ライオンズ」であり、人的交流も多い。しかし、これまでファン向けのイベントを実施したことはなかった。きっかけは統一の監督が郭泰源であることが有力だ。彼は台湾ではロサンゼルス五輪からの英雄としてレジェンドとの1人として称えられている。イベント開催を記念して球場の正面入り口前では球歴を振り返るミニ展示展があった。ユニフォームはもちろん、ゴールデングラブ獲得のトロフィーなどがあり、その偉大さを感じることができる。

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こうして周辺を散策していると急にどしゃ降りになり先に始まっていた試合が中断してしまった。そろそろ中に入ろうとしていたときの出来事だった。ファンは雨宿りをしようと一斉に同じ場所に集まる。自身は正面入口で待っていたところ、その先に見慣れた人物を発見した。

元西武監督の渡辺久信だ。彼は本日31日に始球式を行う予定になっているものの、既に現地入りしていたのだ。ちょうど隣にはサインを求める台湾人のファンがおり、話しかけてみると「ワタナベさんは昨日から来ていたよ」と教えてくれた。

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こうして本人の行動を観察していると目の前に救急車が到着した。どうやらリーグ所属の警備員が熱中症で倒れたようで緊急搬送されていた。ちなみに試合中の気温はほぼ変わらず30度。最近は湿度も高く堪ったものではない。海外で野球を観るだけでも根気が必要なのだ。

そして約1時間の中断後に2回裏から試合が開催された。丁度よく球場近くにホテルを予約していたため、天候の様子を見ながらの中に入った。肝心の結果は3対2で統一が勝利。試合中は西武のマスコットのレオとライナも登場した。レオは統一のマスコットとともにバク転競争を行い、ホームベース付近から一塁ベース後方まで20回以上バク転を成功させて、スタンドにいたファンを興奮の渦に巻き込んだ。

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スタンドにいた台湾のファンが着ているユニフォームにも目を向けてみる。現在、ライオンズフィスティバルで着用しているエメラルドほか、普段のホームやビジター用、または黄金時代のユニまでその種類は多彩だ。これも台湾の旅行社が西武グループと提携していることもあり、西武プリンスドームに足を運ぶ機会ができているからだろう。自身が所沢に行けばあまり中国語は聞こえて来ないが、探せば全体の2割ほどは台湾から来た人達なのではないか。

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いよいよ本日31日は渡辺久信が台南のマウンドに立つ。西武ライオンズデーの最終日のため、快勝して気持ちよく8月30日の統一ライオンズデーにバトンを渡そうではないか。

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