新たな試みは大成功。
今年3月から韓国球界は海外市場拡大を目指している。その手始めに中国プロ野球リーグを運営する会社と業務提携を結んだ。正式発表された時点では韓国側は中国に道具の支援やコーチをペナントレース期間中に招待して研修を行うなど今後の発展を手助けする内容が盛り込まれていた。
その後は去る5月下旬に中国リーグが開幕すると韓国野球委員会(KBO)のコミッショナーを務めるク・ボンノン氏が始球式をするなど両国の間で積極的な野球交流が行われている。今回、久々に中国の話題を探していると新たな動きを報道する内容を見つけた。
KBOは7月27日から中国に韓国プロ野球を伝えるために一軍公式戦のインターネット中継を始めた。これは韓国側が主導で専門チャンネルを持つのではなく、中国のネットストリーミングサービスを手掛ける「IQIYI」とチャンネル開局契約を結ぶことでより多くの中国人にプレーを見てもらうことが狙いだ。
今回、契約した「IQIYI」は主に海外ドラマを扱っており、韓国ドラマでは日本でも人気がある「星から来たあなた」や「太陽を抱く月」を放送した実績がある。中国現地ではマイナースポーツである野球もドラマを通じて親しみのある韓国のものなら興味を持つ人が多いのではないか。つまり、韓流の勢いに便乗する形だ。
そのような安易にも思える考えで始まった試みは結果として大成功に終わった。記念すべき最初の試合はNCダイノス 対 サムソンライオンズ。この試合ではサムソンがイ・スンヨプの2ランなどで10対6と勝利した。ちなみに中国で本試合を観戦した人数は1万8834人だった。少なくとも1万人は野球に興味がある人がいるという証明となった。
韓国プロ野球の生中継は毎週金曜日に1試合のみ行われている。また、ハイライト映像も公開しているという。サービスが始まって約3週間が経ち、毎試合の視聴者数は常に1万人を越えているそうでこれにはKBO側も手応えを感じている。シーズン終了までどこまで数字を伸ばしていけるのか気になるところだ。
先日、来年開催のWBCアジアラウンドの組み合わせも決まり、中国は日本・キューバ・オーストラリアと指折りの強豪と対戦することになった。状況はとても厳しいが、本番までに韓国の試合映像を参考にして選手個々の能力向上にも努めることができる。得をするのはファンだけではないのだ。
着々と進む韓国の海外戦略。最近は八百長問題で自国のリーグが危険にさらされているが、市場拡大のチャンスを逃す訳にはいけない。今、韓国野球は発展と復興の時期を同時に迎えている大事な転換期だ。
出典元:
http://m.sports.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=277&aid=0003806291