意義のある大会にするために。
台湾・台中で行われているU18アジア選手権。Aグループは日本・台湾、Bグループは韓国・中国がそれぞれ勝ち抜き、スーパーラウンド進出を決めた。
ここまでは予想通り。「アジア4強」で優勝を争うことになる。
残念なことにアジアの野球界は上記4ヶ国と他国の差がありすぎる。昨日1日に行われた試合では以下の恐ろしい点差となった。
日本 35-0 インドネシア
韓国 22-0 タイ
台湾 20-0 香港
自身は録画していた日本対インドネシアを観たが、試合内容よりも感動した場面がある。それは試合前、小枝守監督がインドネシアの野中寿人テクニカルアドバイザーにバットを寄贈していたことだ。
「日本人が他国で野球の種をまいている」
既に侍ジャパンの公式ページで連載されているが、メディアは試合のことよりも伝道師の活動を報道すればよいのではないか。
ファンからは「実力差がありすぎて試合をする意味があるのか」や「いくら選手が活躍しようと参考にもならない」いう声が挙がっている。
写真:U18アジア選手権の日程表
野球好きな強者は現地まで行って観戦する。自身はこれまで21Uワールドカップやプレミア12、ウィンターリーグのために台湾に行った。
応援が熱狂的であり、野球の実力も兼ね備えていることからたとえ、他国の試合であっても台湾のファンは観戦するだろうと思っていた。
しかし、実際にフタを開けてみると現実は違った。平日の昼間ということもあるが、台湾戦以外は人がほぼいない。また、入場料さえも取らない。今回のU18はどのような形態なのかは不明だが、れっきとした国際大会であるのに悲しい状態が続いている。
ファン心理として展開が予想できてしまう試合は観ない。国際大会となると致命的な欠点となるのは出場選手の情報がほぼないということだ。
台湾ではパンフレットが発売され、選手が顔写真付きで紹介される。だが、あくまでも名前・生年月日・投打・守備位置だけでどのような選手なのかを知ることができない。
そのため、試合を普段通りに観て終わってしまうパターンとなる。
さて、アジア選手権を有意義なものにするためにはどうすればよいのか。まずは実力差を縮めるために4強と他国を2つに分けて大会を行う。
最初に4強同士で対抗戦をし、勝ち抜いた国がその年の「仮チャンピオン」として待機する。
他は上位8ヶ国ほどを集めて大会をし、優勝した国が待機中の国に挑戦できる。
日本・台湾・韓国・中国に勝つためにアジア諸国は試合経験を積むことができる。まだ環境や経済面を度外視した妄想ではあるが、この大会を世界ランキングのポイント加算に直結させることができれば参加意義も高まる。
4強と勝ち抜いてきた国が対戦すればこれこそ本当の「アジア選手権」なのではないだろうか。