【現地取材】インド野球の発展のカギはリトルリーグの強化から

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下積みからスタート。

インド取材も最終日を迎えた。同日の深夜便で帰国することになっている。心配していた狂犬病や腹痛の被害には遭っておらず、今のところ元気だ。本日は時間制限があることから野球関係の場所に行くことができない。せっかくなのでタージ・マハルを見に行こうと思ったが3時間もかかるというのだ。さすが面積が広い国だ。

昨日、お世話になった友人には部活見学の後、そのままお宅に泊めてもらった。インドのスポーツ事情はもちろん、リトルリーグのことなど色々なことを教えてくれた。

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写真’お世話になったAnoop Kumarさん

自宅には息子さんの勉強の参考書や新聞などが山積みとなっていたが、その中には見慣れた文字の本が置いてあった。

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去る6月下旬から7月初旬にかけて行われたリトルリーグワールドシリーズ予選の大会パンフレットだった。年代別に韓国・台湾で開かれ、インド代表も両方に参加した。 中を開いてみると国際大会ではお馴染みとなっているお偉いさんのあいさつからはじまり、各国の選手紹介一覧という構成だ。韓国のものも同様の仕様となっていた。

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このリトルリーグの予選ではインドほか、サイパンやサウジアラビアといった野球が存在しているのかすらあやふやな国や地域も参加した大会でもあった。ちなみに日本は出ていなかったこともあり、メディアを通じては一切、情報を仕入れることはできなかった。

Anoopさんは対戦したチームすべてに称賛を送り、たとえ自国が負けたとしても誇らしげな気持ちだったという。なぜなら負けたことで越えるべき課題が見つかったからだと言っていた。インドではちょうどこの時期、選手達は野球を一時休止してソフトボールやほかのスポーツに勤しむそうだ。確かに以前から自身にコンタクトをしていた友人も元々は野球との二刀流だった。ほかの友人もどちらかといえばソフトに興味を持っていた。

今は野球をする人は少ない。裏を返せばソフトをしているということは野球のルールも飲み込みが早いのではないか。充分に将来的な市場になりうる。てっとり早い話、ソフトから転向させれば人口は増える。しかし、インド野球連盟は関係者の怠慢さが問題となっている。もちろん改善が必要な状態だが、まずは基礎となるリトルリーグの環境充実を最優先にするべきだと感じた。

まだまだミリオンダラー・アームのような選手が出現するのは時間がかかりそうだ。その分、魅力的な国でもあるのがインドなのだ。

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