今季最終戦で輝く。
日本では本日8日からクライマックスシリーズが始まった。セ・リーグは横浜DeNAが、パ・リーグはソフトバンクが第1戦をモノにした。先に2勝したほうがファイナルステージに進出できるため、この試合の勝利はとても大きな意味を持つ。ファンにとっては応援しているチームが日本シリーズに行けるかどうかとても気になるところだ。
その一方でお隣の韓国では10日からポストシーズンを控えている。 優勝したトゥサンベアーズは自動的に韓国シリーズ進出を決めており、2位から5位までのチームの中でどこと対戦するのか相手待ちの状態だ。ちなみに日本と同じように下位チーム同士が戦い、勝利したほうがさらなる上位チームと激突する仕組みだ。
4位でポストシーズン行きを決めているLGツインズはこの日、トゥサンと対戦。試合は1対11と大敗したものの、ファンが待ち焦がれていたよい出来事があった。それは日本球界にも在籍した選手の今季一軍初出場だ。
映像:代打で登場したイ・ビョンギュ
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=ELQfVV8w3zc)
過去、中日にいたイ・ビョンギュの登場だ。彼は今年で42歳を迎えたがこの日まで一軍出場はなく、二軍調整が続いていた。ちなみにLGには同性同名の選手がいる。私達が知っているイ・ビョンギュは背番号9だが、もう1人は背番号7だ。そのため、現地では2人を背番号で区別している。
自身が昨年、現地で観たKTウィズ戦ではスコアボード上の名前の隣に「#9」と表示されていた。
試合前に一軍登録された彼はベンチで待機していた。相手の先発投手はマイケル・ボウデン(元西武)。今年はノーヒットノーランを達成しただけではなく、最多奪三振のタイトルも獲得した助っ人だ。その後、わずか3イニングで交代した。これはポストシーズンを見据えて早めの継投に入ったのだろう。その後は投手を1人挟んで、3人目としてここまで21勝を挙げているダスティン・ニッパートがマウンドへ。最多勝や最優秀防御率も獲得した先発の柱だ。
急にエースが中継ぎとして登板するのは驚きだが、既に順位が決まっているからこそできる技だ。そんな球界最高助っ人と大ベテランの対決は意外と早く訪れた。4回2死一・二塁の場面でイ・ビョンギュが打席に立った。
本拠地のソウル・ チャムシル球場での今季最終戦であり、チームは「秋の野球」ができるということもあって精神的支柱でもあるイ・ビョンギュを一軍の舞台に呼んだ。これまでなぜ出場機会がなかったのか。それは世代交代の荒波にのまれたからだ。
10年に古巣に復帰後は4年連続100安打を記録して「韓国のイチロー」と呼ばれる実力をファンに魅せた。14年に通算2000本安打を達成したが、その前年から徐々に試合出場数が激減。気づけば40歳代となり、自然と力は衰えていった。
しかも今季でチームとの3年契約が満了となるため、今後の行方次第では引退もありうるのだ。
そんな現役生活も危機的な状態を迎えていても決してチームは彼を見捨ててはいなかった。ここで打つことができればまだまだ現役への道は明るくなるうえに初打点も記録できる場面だった。
カウント1ボールでむかえた2球目、内角に入ってきた151キロの直球を打ち返すとその打球は左安となった。彼にとって嬉しい初安打初得点だ。と、思いきや二塁走者だったもう1人のイ・ビョンギュがホームでアウトとなってしまった。これでこのイニングの攻撃が終了した。
その後、監督はそのまま守備に就かせようとしたが、本人がこれを断ったことでそのままベンチへ下がった。つまり、レギュラーシーズンの出場はこれでなしとなり、打率10割という成績を残した。
試合後、ファンは帰ってきた大ベテランの名前を連呼し、再登場を待った。そこで彼がベンチから登場して声援に応えた。
試合には敗れたが、LGにはまだポストシーズンが残っている。まずは5位のKIAタイガースを迎え撃つ。イ・ビョンギュが出場するか不明だが、もし出るのなら代打の切り札となるのではないか。
10月8日は42歳の彼が輝いた1日となった。
出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=144&aid=0000455031