国際経験豊富な投手陣。
昨日12日、11月にメキシコで開催されるU23ワールドカップに出場する日本代表メンバーが発表された。安樂智大(楽天)や乙坂智(横浜DeNA)といった球界の将来を担う選手達が数多く選出された。また、社会人からは6人の参加が決まり、プロアマ混合チームが魅力の1つとなる大会だ。
日本はB組に入り、台湾・オーストリア・アルゼンチン・ニカラグアと対戦予定。ライバルの台湾代表は去る10月に来日し、巨人や横浜DeNA、楽天、日本ハムと交流戦を行った。形上は「交流戦」でも既に11月の本番を見据えている。
台湾は約1週間前には出場メンバー24人を発表している。本日から2日間にわたって簡単に選手を紹介する。今回は投手陣だ。
写真:U23ワールドカップに出場する台湾代表の選手一覧
(出典:中華民国棒球協会公式Facebook https://www.facebook.com/CTbaseballteam/?fref=ts)
□右投
・陳品學(チェン・ピンシェ/インディアンズ1A)
188センチ95キロのオーバースロー投手。12年6月からインディアンズでプレーしており、テンポよい投球を武器としている。細かい制球が課題だが、最速153キロの直球を中心にスライダーとカーブを巧みに使う。呉念庭(西武)のいとこでもある。15年アジア選手権で代表入り
・曾仁和(ツァン・レンフォ/カブス2A)
185センチ95キロのスリークォーター投手。13年WBC予選では唯一のアマチュアから選出された実力者だ。最速153キロの直球だけではなく、スライダー・ナックルカーブ・シンカー・チェンジアップと変化球の種類も豊富な選手。特にチェンジアップはアメリカの野球雑誌「ベースボールアメリカ」でも特集されたほど高い精度を持つ。
・黃恩賜(ホァン・ツーポン/台湾体育大)
185センチ90キロのオーバースロー。独特のテイクバックで打者のタイミングを外す。9月27日の巨人二軍戦では岡本和真らがスライダー打ちに苦戦していた。直球の最速は151キロ。昨年の台湾ウインターリーグでは防御率1.45を記録した。
・廖乙忠(リャオ・イーチョン/開南大)
186センチ100キロの大型投手。宮崎・日南学園でプレー経験があり、13年はNPBのドラフト候補でもあった。 現在は郭李建夫(元阪神)監督のもとで力をつけている。最速143キロだが、ツーシームやスライダー、カーブとチェンジアップを駆使して緩急で打者を打ち取る。先発陣でも貴重な存在。
・森榮鴻(セン・ロンホン/国立体育大卒)
183センチ83キロのオーバースロー投手。去る6月、台湾プロ野球のドラフト会議でLamigoモンキーズから4位指名されるも入団を拒否。 ケガに悩まされるも復帰し、先日の日本遠征は自己最速の154キロを記録した。自慢の変化球はスライダーでチームの抑え候補。友人の台湾人記者も彼の能力を推していた。
・賴智垣(ライ・チーユェン/台湾体育大)
・吳丞哲(ウー・チャンザー/輔仁大)
181センチ・80キロのオーバースロー投手。昨年のウインターリーグでは中継ぎの一角として活躍した。 今年は大学春季リーグ戦で防御率1.78を記録し、ベストナインに選出された。その勢いでハーレム大会にも出場し力を磨いた。映画「KANO」で主演を務めた曹佑寧(ツォ・ヨウニン) とはチームメイト。
・施子謙(シー・チーシェン/台湾体育大)
183センチ90キロのオーバースロー投手。今回初となる国際大会での代表入り。高校時代に148キロを記録して注目された逸材。得意球はカーブ。まだまだ未知数の投手で今回のU23の結果次第ではプロ入りの可能性も高くなる隠し球と言うべき選手だ。
・許凱翔(シュー・カイシャン/TOPCO)
179センチ74キロのオーバースロー投手。小柄ながらも大学入学後は郭李監督の指導のおかげで球速が10キロもアップした。 昨年はユニバーシアードにも出場した。今年は社会人の強豪、TOPCOファルコンズに入団してプレーを続けている。
・張竣凱(チャン・チュンカイ/国立体育大)
186センチ・84キロのオーバースロー投手。今年8月、リトルリーグ・ビックリーグのワールドシリーズにおいて台湾代表の優勝に貢献した。最速148キロで昨年の高校野球の全国大会で20イニングを投げて3勝 防御率0.00を記録した。
□左投
・呂彥青(ルー・イェンチン/台湾体育大)
173センチ63キロのオーバースロー投手。昨年のプレミア12ではソン・チャーホウ(楽天)と共にアマチュアから選出された。今回の台湾代表ではエースとして先発陣をけん引する。最速148キロで変化球はスライダー・カーブ・チェンジアップ。将来は海外でのプレーを希望している。
以上11人が今回の投手陣だ。ちなみに宋文華(ソン・ウェンファ/パドレスルーキー)と江少慶(ジャン・シャオチン/インディアンズ1A)は球団からの出場許可が出ず、出場辞退となった。
選手をみると左腕は呂彦青ただ1人。それでもプロ選手がいなくとも昨年のウインターリーグのように格上に勝つとほど力はあるのだ。
明日は野手陣を紹介する。