着々と次のステージへ。
現在、行われている台湾シリーズは第3戦を終えて2勝1敗と中信兄弟がリードしている。昨日25日は義大ライノズが本塁打王の高國輝(ガオ・グォフェイ)の一発などで2桁10得点で初勝利を挙げた。
一方で敗れた中信兄弟も負けじと9得点と最後の最後まで追い上げをみせた。その中でも昨年のトリプルスリー、林智勝(リン・ズーシャン)が4安打3本塁打6打点と大活躍した。
この試合前の始球式には11月から球界に参入する富邦金控の関係者が登場した。この台湾シリーズを最後に新球団となる義大の選手にとって紫のユニフォームを着る時間が少なくなっていることを意味する。
富邦金控は台湾を代表する金融会社の1つ。企業紹介の欄では「顧客満足度7年連続No.1」と謳われている 。6月に義大が身売りを発表してから最初に手を挙げた企業とされている。それから約2ヶ月後には買い取りが決まり、細かい契約内容の確認を踏んだうえで11月から球団経営に乗り出す。
既に秋季キャンプの概要も発表されており、11月7日から始まるという。組閣や選手への指導は5人のメジャー・マイナー経験者に依頼し、助言を得る。元々、義大時代にはトミー・クルーズ(元日本ハム)をはじめ、首脳陣が海外出身者で固められていたことがある。彼らの教えもあってかチームはアメリカ式の練習やプレーをするようになった。その一環、と言ってもよいのか不明だが13年にはマニー・ラミレスをチームメイトに迎えた。
富邦関係者によると現在は球団マスコットを何にするか話し合っているところだ。他球団はそれぞれ、サル(Lamigo)・ゾウ(中信兄弟)・ライオン(統一)だ。義大はサイなだけにこれまで通り動物でいくのか、それともまったく別のものにするのか注目が集まっている。既にチーム名は決まっているようで、チームロゴとマスコットも同時に発表したい意向だ。
新球団ということもあって常にその動向が気になる富邦。注目すべき点はまだまだある。他のことでは選手補強だ。基本は義大の選手で構成されることにはなっているがプロチームである以上、多くの選手を受け入れたい。
そのプランとして台湾球界を代表する2人の選手の獲得を目指している。それは彭政閔(ポン・ジェンミン/中信兄弟)と張泰山(徳島)だ。
彭政閔は現地でも1,2位を争うほどの人気内野手。ファンからは「チャチャ」の愛称で親しまれている。打者としてはアベレージヒッタータイプでなんと、入団から16年連続で打率3割を記録している。これまでは08年に記録した打率.391が球界最高打率だったが、今年は打率4割打者が出たために破られてしまった。今季はFA権を取得していることから去就が気になるところだ。
張泰山は今年、徳島インディゴソックスで打撃コーチ兼任として活躍。来季は台湾に戻ることを宣言しており、現在は中国で指導者研修を受けている。目指すは徳島時代と同様に選手兼任でプレーし、通算300号本塁打を達成することだ。
今は台湾シリーズ期間中ということもあり、補強に関しては終了後に調整することになる。富邦関係者は「彼らは素晴らしいプレーヤーだ」と賞賛している。ファンを球場に呼ぶためにもぜひとも有名選手を獲得したいところだろう。
これからも続く、新球団の戦略。来季の開幕が今から楽しみだ。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/799463