チームのためか、夢のためか。
日本プロ野球はFA権を取得した選手の動向が注目されている。岸孝之(西武)や森福允彦(ソフトバンク)など実績十分のプレーヤーばかりだ。中には既に手を挙げている球団もあり、交渉解禁日まで条件面を考慮していく。
その一方でお隣の韓国でもファンが気になっていることは同じだ。特に注目されているのはキム・グァンヒョン(SK)とヤン・ヒョンジョン(KIA)の2人。共にFA権を取得しており、海外に進出するかどうかが今オフの話題となっている。
この2年は阪神が彼らを調査するという報道が出ていたが、結局のところ目立った動きがない。ヤン・ヒョンジョンについてはまだ本人の意思表示がない。それに対しキム・グァンヒョンはよく記事になることが多く、シーズン中から発言が気にされていた。
キム・グァンヒョンは以前、メジャー進出を決めたと言っていた。だが、オフに突入した今、急にSK残留を最優先に考えるというのだ。14年オフにはポスティングシステムを使って移籍を試みたこともあった。パドレスから入札があったものの、金額面に満足できず破談となった。
その後は引き続きSKのエースとして11勝8敗 防御率3.88の成績を残した。今年は4年連続2桁勝利を挙げただけではなく、通算100勝も達成した。
なぜ急に考えを変えたのだろうか。それは監督交代が関係しているようだ。チームは来季の新指揮官として元日本ハムのトレイ・ヒルマン氏を迎えた。日本での実績はもちろん、メジャーでも監督やコーチを務めた経験からSKの野球が劇的に変わる可能性がある。もし、残留すればいつでも本場の状況を知ることができる。利点も十分あるのだ。
彼にとってメジャー移籍は子どもの時からの夢だという。今年は2年前とは違い、海外FA権を行使できる。以前と比べて障害は少ないはずだ。しかも来年は29歳になるため、これから長くメジャーでプレーする気持ちならば移籍したほうがよい。 今季中はメジャーのスカウト達もキム・グァンヒョンの投球を見るために韓国に 足を運んでいたようで、その数は19チームにもなる。半数以上が集まるということは先発左腕を必要としているということだ。
ひとまずはSK球団との交渉次第でこれからを考えるようだ。決してメジャー移籍の夢を諦めた訳ではない。たとえメジャーに行き、戻ってきてもチームは席を空けて待っていてくれるだろう。これまで10年間、球団への貢献度を考えれば出戻りでも他球団には渡したくないはずだ。
本人の決断も注目の1つにもなるが、SK関係者の出方にも気になるところだ。エースに対してどこまで誠意を見せることができるかどうか。12年を最後に韓国シリーズ進出を果たせていないだけあって夢を応援したい反面、失いたくない戦力だ。ある意味、球団改革の命運を分けることになるかもしれない。
出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=396&aid=0000413390