世代交代を願うエース。
来年3月に迫った第4回WBC。今のところ最終28人の出場選手を発表したのは韓国だけだ。日本は強化試合を終えたばかりでこれからメジャー組も含めたベストメンバーを選んでいく。メディアのように煽るのは好きではないが、本当に世界一を目指すというのなら来年まで待っていられない。12月中には選手を発表して1月初旬から合宿を始めればよいのではないか。もし、誰かが出られないのなら入れ替えをすればよい話だ。
日本のよいところは既に下地ができていること。春と秋の強化試合を通じて選手同士の交流もあるため、チームの雰囲気づくりも早めにできる。また、短期間の合宿で本番ではある程度のところまでいけてしまうため、元々持っているチーム力は高いと言える。後は本職の守備位置がかぶる選手達をどのように起用するかが監督の腕の見せどころだ。
WBCの選手選考といえば、台湾の郭泰源監督も悩んでいる。
映像:13年WBCで日本を相手に投げる王建民
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=YZx4EiCZW4I)
先日、50人の出場選手候補リストが公開された。その中には陽岱鋼(日本ハム)やチェン・グァンユウ(千葉ロッテ)ら日本組をはじめ、王建民(ワン・チェンミン/元ロイヤルズ)やチェン・ウェイン(マーリンズ)のメジャー組と海外リーグに所属者の名前が並んでいた。
昨年のプレミア12と同様に今回も投手陣が弱い、という声が挙がっている。今季の台湾球界のタイトルホルダーを見ると最多勝はマイク・ローリー(義大/13勝)で、2位がオーランド・ロマン(Lamigo/12勝)と助っ人選手らが並んでいる。ちなみに台湾人選手のトップは鄭凱文(ジェン・カイウン/中信兄弟)の9勝。全体で4位だ。
打高投低と言われる台湾。防御率の上位者も見てみると1位はローリーの3.98で2位は鄭凱文の4.53だった。大体、3点台で抑えることができれば優秀と考えるべきだろう。それにしてもこの2人の数字の差が激しい。
台湾シリーズやアジアシリーズなど大事な一戦となると助っ人に頼りがちになってしまう傾向にある。球界を代表する台湾人エースがいないのが現状だ。となると国際大会を勝ち抜くには自然と海外組の力が必要になってくる。
そのカギの1人となるのは王建民だ。彼は今季、ロイヤルズに在籍して自身3年ぶりのメジャー復帰を果たした。代名詞の高速シンカーは今でも健在で登板数は少ないながらも中継ぎとして存在感を見せていた。最終的には退団となったが本人にとっては1つの目標を達成したシーズンと言えるのではないか。成績は36試合 6勝0敗 防御率4.22だった。
現在は無所属ということで来年のWBC出場が期待されていた。しかし、本人は辞退する意向だという。郭泰源監督が直接、アメリカに出向いて王建民と面会したものの、あまり良い返事をもらうことができなかった。その理由は2つあり、その1つとしてスプリングトレーニングに集中したいとのことだった。
出場をやめたもう1つの理由はチームの世代交代だ。彼は次のように話している。
「ぜひ若い選手達には国際試合の経験を積んでほしい。自分が出場してしまえばそのチャンスがなくなってしまう。自分の役割は終わった」
今回で頼りにしていた右腕の代表入りはなくなった。王建民の代わりとなる投手は登場するのだろうか。まだ本番までは時間があるが、一次ラウンドでは韓国・オランダ・イスラエルと強豪揃いだ。勝つためには絶対的なエースが必要だ。その役割を担うのは誰になるのか。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/814322