次の開催はいつなのか。
去る11月20日に台湾・台中インターコンチネンタル球場で行われた巨人-台湾のOB戦。写真の整理が終わり、やっと試合中の様子を紹介できる。既に他媒体では特集が終わっているため、ゆっくりと写真を載せていく。
球場に集まったファンは約6500人。日本ではツアーも組まれていたようで巨人のユニフォームを着た日本人も数多く見かけた。自身は台湾代表のユニフォームで現地にいたのだが「なぜ日本人なのに台湾を応援するの」と質問されたが、そこはノーコメントだった。
試合開始前、選手紹介後にお偉いさんの挨拶が続く。中国語の後に日本語の通訳が入るものの、試合1時間前からのセレモニーが始まっているために巨人OB陣は退屈そうに座っていた。その前には元気よく練習をしていたこともあり、よい休憩時間になっていると思ったがそうではなかったようだ。
一方の台湾OBも郭泰源や郭源治といった日本球界経験者も出場していただけに巨人側の一塁スタンドにいた日本人ファンも大喜びだ。残念ながら日本にいた選手以外については歓声が小さく、やはり当日に販売されていた選手名鑑を買わなければ誰なのかさっぱりわからなかった。
選手紹介が終わるとなぜか王貞治だけがなかなか出てこない。巨人側に座る訳ではなく、なぜか来賓側(選手達と向き合う)に座った。グラウンドに立つだけでも彼のオーラは球場全体を包み込む。この背番号1のユニフォームを観るだけでも興奮する。
王は7回表の先頭打者として登場。試合前から郭泰源との対決が実現することがわかっていた。名前がコールされただけでスタンドにいたファンは総立ちで彼の打席を見守った。自身の隣で観戦した友人も「初めて王さんのプレーを見たよ」と大興奮していた。
たとえ空振り三振でも打席に立ち、一本足打法を披露した姿は強烈な印象だった。この2人の対決の際、スコアボードには王貞治の文字があったのだが、相手投手の郭泰源の名前がなく、その前に投げていた投手のままだった。この歴史的対決には球場スタッフも仕事そっちのけで見ていたのだろう。
自身は試合中、球場に集まった友人の挨拶まわりをしていたこともあって全イニングを見ていた訳ではない。当初はバックネット裏で見ていたが、雨の心配もあったことから屋根付きの2階席に移動していた。最初はほぼ周りに人がいなかったが、大雨になるとあっという間に席が埋まった。
最終回には郭李建夫が登板したが、いつの間にか5失点していた。今やアマチュア台湾代表を率いる監督になっているものの、調整不足なのか阪神時代の投球はできなかった。
結局試合は15対11で巨人OBが勝利。ファンにとってスコアは一切関係ない。この歴史的試合に立ち会えただけでも幸せな時間を過ごすことができた。ぜひこのようなOB戦は末永く続いてほしい。