集客も考えよう。
台湾では去る25日からウインターリーグが始まった。昨日は2試合とも中止になったものの、28日終了現在でNPB選抜の2チームが上位を独占している。先ほど試合が終わったイースタン選抜対KBO選抜では熊原健人(横浜DeNA)が代走・左翼の守備に就く珍しい展開もあった。
自身も当初はウインターリーグに行く予定だったが、今年は難しくなりそうだ。昨年は欧州選抜の監督が審判に放送禁止用語を連発する場面もあり、ハチャメチャな試合に遭遇した。本日の熊原の守備しかり、昨年の監督の暴言しかりとこのリーグでしか見ることができない出来事がこれからも数多く待ち受けていることだろう。
現地には行けなさそうではあるが、中継は見ている。今年は昨年とは違い、斗六球場での試合開催が多いようにも感じる。実際、台北や桃園から距離が離れているため、台湾人のファンでもなかなか足を運ぼうとはしない。見る限りでは外野席を解放していないため、ファンはバックネットか内野席で見ることになる。入場券を買えばどこで観戦しても自由だ。これがウインターリーグの良いところでもある。
ほとんどの試合が平日開催であり、多くのファンは仕事終わりに観戦することになるだろう。しかし、25日のCPBL選抜とアマチュア台湾代表の試合は満員になることはなかった。たとえ満員ではなかったとしてもバックネット席が埋まっている状態を予想していた。残念ながらこれも外れた。
国際試合のときは対戦相手の情報が不足になりがちだ。もちろん自国の選手のことは知っているとして、他国の選手となると日常的に見ている人以外は全く誰なのかわからない。何となくパワーがありそう、この変化球のキレがいいといったその時のプレーで選手能力を判断する場合が多いのではないか。
台湾は近年、他国のチームを招くことに積極的だ。WBC予選やアジア選手権、プレミア12など気候の利点を活かして1年中、野球を満喫できるような環境になってきている。そのおかげもあって運営側はファンのために選手名鑑を販売してくれる。
中身を見ると出場国の選手について顔写真付きで紹介してくれる。主に名前や投打、守備位置に誕生日を載せている。顔と名前が一致しないため、これはとても助かっている。しかし、選手の写真がいつの時代に撮ったのかどうかわからない謎のものが掲載されていることがある。やっとの思いでかき集めた感じがにじみ出ているのだ。
最近ではこうしてWebを通じて試合を観ることができる。サービスが進化したといえば聞こえがよいが、試合の臨場感を感じる機会が減っていくのではないかと思う。労力をあまりかけなくてもよくなったことは嬉しいことなのか、それとも野球というスポーツを衰退させているか原因となるのか。遠くない未来に球場には誰1人、観客がいなくなるのでは、と危険に感じてしまった。
いくらスポンサーがついているとはいえ、運営側は採算がとれているのだろうか。試合を観る楽しみはある分、今後の開催継続が怪しくなってくる。