代表選手の強い覚悟。
陽岱鋼の巨人入り決定が確実視されてからはや数日。台湾ではいつ正式発表がされるのかを待っている。今夏からFOXスポーツ台湾では巨人戦の放送を始めたこともあり、ファンは主催試合ならば見ることができそうだ。しかし、問題はビジターの試合。日本ハム時代とは違い、クリアしなければならないハードルが多々ありそうだ。
ファンの関心は彼の移籍のほかにWBCがある。先日、出場選手候補36人が発表され、陽岱鋼のほかにチェン・グァンユウ(千葉ロッテ)など日本でプレーする台湾人選手全員の名前が並んだ。
写真:Lamigoモンキーズとの交流戦で登板したチェン・グァンユウ
チェン・グァンユウはWBC出場に対して意欲的だ。本人も4年に1度の国際大会だから出場したいという気持ちのようだ。大会名は違うとはいえ、昨年のプレミア12では不完全燃焼に終わった。一次ラウンドで対戦するオランダにリベンジしたいだろう。
秋季キャンプのときにはチームを率いる郭泰源監督と対面し、直々に出場を要請された。その際、どのように返事をしたかは明かされていないが、今となっては投げる気満々だ。
現在発表されている台湾代表の日程では12月15日から選考合宿に入る。その後は来年2月初旬に最終メンバーが発表される予定で、オーストラリアで強化合宿を行う予定だ。しかし、2月は春季キャンプが始まるため、合流は難しい。
オーストラリア合宿終了後は台湾に戻ってキューバとの壮行試合に臨む。2月20日から3試合行うことになっており、チェン・グァンユウは千葉ロッテのキャンプで調整をした後にこの試合に合わせて参加するという。
WBCに参加したい気持ちはあるものの、少し不安があるようだ。それは調整不足でシーズンに影響しないか、ということだ。過去、チームメイトが調整に失敗して戦力外になった姿を見た経験がある。
現在、Lamigoモンキーズに所属する王溢正(元横浜)が13年WBCに参加したが、不本意な結果に終わった。シーズンに入ってからも力を発揮することができずに5月に戦力外となり、台湾に帰った。その姿を直にチェン・グァンユウは見ていたこともあり、自身もそうなるのではないか、という考えもある。
昨年は5勝を挙げて飛躍の年を送ったチェン・グァンユウだったが、今年は7試合で1勝1敗 防御率4.01という成績に終わった。来季の結果次第では王溢正と同じような道を辿る可能性もある。もちろん、出場する以上はWBCのせいにはできない。すべては自己責任となる。
それは本人も自覚しており、次のように決意を語っている。
「既にWBCに出る意向は伝えている。参加すると決めたからにはしっかりと調整する。もし、大会が終わった後にどのようなことが起こってもそれはすべて自分の責任だ」
台湾代表の候補リストにはチェン・ウェイン(マーリンズ)の名前があるが、出場できない可能性が高いため、実質、左腕エースはチェン・グァンユウになるだろう。重圧が大きくなるが、まずはチームの二次ラウンド進出のために活躍してほしい。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/827646