続く試練。
第4回WBCの開催まで3か月を切り、各国とも出場選手候補を絞る時期になってきた。アメリカやドミニカ共和国、ベネズエラらは続々と現役メジャーリーガー達が参加を表明しており、 大会の見どころになりそうだ。その一方でアジア勢は苦戦している。
レンジャーズの方針によりダルビッシュ有とチュ・シンスの大会出場が厳しくなった。もし、2人の参加が実現していれば注目選手となっていただけに残念でならない。
大変なのは日韓だけではない。台湾も思うように選手選考や練習が進んでおらず、チームを率いる郭泰源監督も頭を悩ませている。
最近では出場選手候補の36人が発表され、そのうち11人が海外組だ。ちなみに日本でプレーしている選手達全員がリストに入っている。巨人入りが決まった陽岱鋼ほか、チェン・グァンユウ(千葉ロッテ)や郭俊麟(西武)がメンバー入りすればまさにオールスターとなるだろう。
しかし、投手陣の中心を担うはずだった王建民(ワン・チェンミン/元ロイヤルズ)は所属先未決定のために辞退する意向であり、チェン・ウェイン(マーリンズ)も出場に対して微妙な反応を見せている。メジャーリーガーに頼ることができないとなれば日本組が奮闘するしかない。
現在、選手選考も兼ねた代表合宿を展開中だ。チェン・グァンユウはチェンジアップを精力的に練習中。野手では一昨年のトルプルスリー達成者の林智勝(リン・ヂーシェン/中信兄弟)がアメリカでの自主トレ計画をとりやめてまでチーム練習を優先している。ちなみに彼が主将となり、背番号1を付ける予定だ。
選手選考もさることながら台湾代表はもう1つ問題を抱えている。それはWBC試合球がないことだ。行われて
いる合宿では社会人用のボールを使用しているという。チームを主導するアマチュア野球協会関係者によると既に試合球を500球購入しているが、台湾には来年1月に届く予定だと発表した。
国際大会になると日本でも毎回のように「ボールの違いにとまどう」という声が挙がり、適応するのに時間がかかる。11月に行われた侍ジャパンの強化試合では通算3勝1敗と勝ち越したものの、投手陣は制球に苦戦して4試合で29失点していた。
台湾代表は今後、オーストラリアと日本でも練習を行う。海外練習は来年の予定だが、それまでにはWBC球を使えるようにしなければならない。2月20日にはキューバとの壮行試合も控えている。そこである程度の結果を残すことができなければ本番に向けて不安を残すことになる。
一次ラウンドでは韓国・オランダ・イスラエルと対戦するが、決して侮ることはできない。韓国は今後の動き次第だが、オランダやイスラエルはメジャーリーガーを数多く揃えるのではないか、と噂されている。
野球は投手の投球次第で試合が左右されるスポーツ。特に国際大会の結果ではその国の野球人気にもつながっていく。特に台湾でその傾向が強いようで上位に進出できれば野球チームが増えるという。台湾代表に課せられた使命は大会での結果だけではないのだ。
プロアマ関係がよくないと言われている台湾。今のところプロチームのLamigoモンキーズが選手を大会に派遣しないと表明しており、ベストメンバーで闘うことができない。アマチュア野球協会も交渉を続けていくというが、果たして上手くいくのだろうか。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/831231