大先輩の考え。
WBC開幕まで2ヶ月を切り、各国の選手選考も終盤に迫る中、アジア3チームに衝撃が走った。日本は前田健太(ドジャース)が、台湾は王建民(ワン・チェンミン/元ロイヤルズ)が出場しないことになった。韓国はオ・スンファン(カージナルス)の参加が決まったものの、一昨年の海外賭博の影響で世間からは反対の声が挙がっている。
その韓国代表はキム・グァンヒョン(SK)やカン・ジョンホ(パイレーツ)ら主力を担うはずだった選手達が出場できなくなり、これまでの国際大会では経験したことがないほど選手選考に苦戦している。このままでは優勝どころか一次ラウンド突破もできない可能性もある。しかし、その状況を楽観視している人物がいる。それがイ・スンヨプ(サムソン)だ。
写真:韓国・モクトン球場で行われたネクセン戦でスタメン入りしたイ・スンヨプ
イ・スンヨプといえば日本のプロ野球ファンなら知らない人はいないのではないか。彼は韓国を代表するレジェンド打者で来日前の03年にはシーズン56本塁打、巨人時代の06年には41本塁打と日韓両国で主砲として活躍した。今年は現役最終年であり、どこまで数字を残すことができるのか注目されている。
国際大会の出場経験は豊富で06年WBCでは一塁手としてベストナインを獲得している。13年大会では10打数4安打を記録したが、初戦のオランダ戦の敗退が響いてアメリカで彼の打棒を見ることはできなかった。それでもチームの精神的支柱として選手をけん引する姿が印象的だった。
そして来たる4回目のWBC。もうイ・スンヨプは出場しないが、 大会経験者としてチームを応援している。現在、思ったように選手選考が上手くいってない状況を理解しつつ、次のようにエールを送った。
「これまでの韓国代表は逆境になればなるほどチームが団結していた。足りない部分を全員でカバーするところがよいところだ」
確かに15年プレミア12準決勝では天敵・大谷翔平(日本ハム)に7回まで完全に抑えられるも9回から4点差を跳ね返して見事な逆転勝ちを収めた。当時、現地で観戦していた自身も完全に日本が勝ったと思っていた。この脅威の粘りは対戦相手でありながら感動した。
日本の場合、よく代表チームのユニフォームを着ると重圧が重くのしかかるという声が聞こえてくる。その一方でイ・スンヨプに関してはユニフォームを着るととてもやる気になるそうで自然と力が湧いてくるという。特に日本と対戦する時にはいつも以上に気合が入っていたというエピソードを明かした。
たとえ選手選考が難しくとも28人の出場メンバーが決まれば力を発揮するだろうと予想している。彼は解説者として裏からチームを支えることになる。やはり韓国代表にとって日本戦は1つのモチベーションなのだろう。その対戦を実現させるには地元で開催される一次ラウンドを突破しなければならない。
一次ラウンドの対戦相手は台湾・オランダ・イスラエルだ。どこのチームも強豪だが、果たして韓国は二次ラウンドの東京ドーム行きの切符を手に入れることができるのだろうか。国民的打者のエールを力に変えて本番まで準備を進めていく。
出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=144&aid=0000471113