第2の野球人生のために。
野球選手にとって将来的な問題となってくるのがセカンドキャリアだ。入団前から人生設計があればよいが、それがなければ厳しい現実が待っている。近年はアマチュア指導者の資格回復ができるようになり選択肢が増えたが、まだまだ十分な環境とは言えないだろう。
たとえ選手を辞めてもできる限りは野球に関わりたいはず。彼らは球団の計らいもあって球団のアカデミー講師や独立リーグに派遣され、教える立場に転身する場合もある。それは海外出身者も同じで、韓国からソフトバンクホークスにコーチ研修を受けにやってきた者がいる。それがチン・ガビョンだ。
映像:現役時代のチン・ガビョン
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=XTReSL8Cc3o)
チン・ガビョンは現在42歳で15年限りで現役引退。選手時代はOBベアーズ(現トゥサン)とサムソンライオンズに所属し、レギュラー捕手として活躍した。リード面だけではなく、打撃も魅力で04年には24本塁打を放っている。獲得タイトルはゴールデングラブ賞(日本でいえばベストナインに相当)を獲得した実績を持つ。また、国際大会経験も豊富で06年WBCや08年北京五輪と代表の一員としてチームのホームを守った。
引退後はサムソン球団から外国人スカウトの提案を受けたが指導者としての道を歩むことにしたという。今年は元々、メジャーリーグ球団での研修を予定したものの、条件面が合わずに断念している。そこで代わりにソフトバンクの二軍コーチとして修行を積むことになった。研修費用はすべてサムソン球団が持つ。
ソフトバンクは韓国とのつながりがあり、選手としてはイ・デホやイ・ボムホが在籍。コーチ研修としては今回のチン・ガビョンのほかにも韓国球界初のシーズン40本塁打を放ったチャン・ジョンフンを受け入れた。研修後にはハンファイーグルスやロッテジャイアンツで打撃コーチになった。ほかにも三軍が夏場に韓国遠征をして行っており、若手選手達が実践経験を積んでいる。
現在、ソフトバンクにはチン・ガビョンにとって馴染みの選手がいる。それがリック・バンデンハークだ。彼は13年から2年間、サムソンに所属していたことがありチームメイト同士だった。異国の地に行くが不安だらけではなさそうだ。ちなみにチン・ガビョン自身もWBCや03年のアジア選手権で来日経験があるため、初めて訪れる国ではない。福岡は初めてになるかもしれないが大きな問題にはならないだろう。
本人ととってはアメリカ研修は実現しなかったが、日本一3回(ソフトバンク時代限定)を誇る強豪チームの研修を通じて将来的に韓国球界の発展に尽力してほしい。ぜひ、他球団も各国のコーチ経験希望者を積極的に受け入れてほしい。これを重ねることによって世界的な野球振興・普及につながるのではないだろうか。
出典元:
http://osen.mt.co.kr/article/G1110553280