日本も巻き込んで盛大に。
自身は昨年2月頃からアジア野球連盟に所属する国の関係者に連絡を取り、現地の野球の情報を得ようとしている。そのおかげもあって去る9月にインドに行くことになった。そこではハルヤナ州という田舎に行き、日本でいう部活動の野球を見学。やはり普段から正面から球を受ける姿を見ているだけあって選手の動きにぎこちなさを感じたが彼らにとって普通のことなのだ。そんな西アジア地域において来月、大きなイベントを控えている。
2月25日からパキスタン・イスラマバードで13回目となる西アジア野球選手権が開催される。参加国は上の写真の通り、インド・イラン・イラク・ネパール・スリランカ・パキスタンだ。元々はアフガニスタンやウズベキスタン、カザフスタンも参加予定だったが出場辞退となった。
前回大会の15年2月には現在、香港で野球指導を行っている色川冬馬氏がイラン代表を率いてチームを準優勝に導いている。ちなみに優勝はパキスタンで全3試合で43得点無失点という驚異的な強さを見せつけて優勝した。その後は昨年9月にニューヨーク・ブルックリンで行われたWBC予選にも出場した。
インドから帰国後はパキスタン野球関係者から頻繁に連絡がくるようになった。そのきっかけはWBC予選期間中にパキスタン代表監督を務めるシャー氏にコンタクトを取ったことから始まる。最初は1人のファンとしてチームを応援していたのだが、日が経つごとにつれてパキスタン人プレーヤーの養成機関というべき「Fata Baseball Academy」という団体から声がかかるようになったのだ。
この団体は数多くの代表選手を輩出しており、WBC予選出場者はもちろんのことU12アジア選手権のパキスタン代表メンバーもここから出ている。ちなみに日本戦で本塁打を放った選手も「Fata」の出身だ
今回、この記事を書くのはシャー監督からの希望であり、この大会のことを日本関係者に知ってほしいとのことだった。既に色川氏をはじめ、ネパールの小林洋平氏など日本人が関わっている大会なのだが知名度はとても低い大会となっている。結果が野球世界ランキングの順位にも影響するため、ただ参加するだけでない真剣勝負の場となっている。WBC本戦開催にも近いためある意味、裏WBCと言えるだろう。
シャー監督は「西アジア野球選手権は日本も巻き込んで大きな大会にしていきたい。企業や指導者、道具など必要なものが多いが、協力してほしい」と話している。
パキスタンがホスト国ということもあって参加チームに対してはビザの取得や宿泊場所もすべて連盟が手配するという手厚い待遇をするという。以前、監督を務めた色川氏も侍ジャパンの公式サイト内のコラムでも書いていたが、西アジア野球を発展させるために国をあげて本気で取り組んでいる。そこに日本が指導者やスポンサーなどさまざまな形で支援をすればより地域全体が発展していくだろう。
昨年、西武がカンボジアで行われた野球大会のスポンサーとなり、現地のプレーヤーを支援したという報道があった。まさにこれに続く形で他球団もアジア野球発展に向けて手を組めば野球の普及・振興という目標に向かって前進できるのではないか。そうすれば今秋に復活が噂されているアジアシリーズの出場枠を増やすこともできる。
まずは直近の西アジア野球選手権だ。先日、シャー監督からスポンサー募集の画像を頂いた。興味のある方はご一報を。