意気揚々と。
春季キャンプ開始から3日が経ったがもうケガ人が出た。オコエ瑠偉(楽天)は手術が決まり開幕には間に合わなくなった。また3月のWBCに参加する予定だった大谷翔平(日本ハム)は足首の故障で大会への出場辞退。球春到来から数日で日本球界に暗雲が立ち込めている。
WBCといえば韓国で一次ラウンドを迎える台湾代表は4日から豪州合宿に入る。陽岱鋼(巨人)も昨年8月のケガの影響と移籍1年目ということもありこちらも大会には出ない。現在、アメリカでプレーしている選手達が1人もいない中、本戦ではかなりの苦戦を強いられると予想される。それでも郭泰源監督は前向きだ。
合宿を前日に控えたこの日、郭泰源監督は「チームの雰囲気は悪くない」と会見で話していた。投手陣は郭俊麟(西武)やチェン・グァンユウ(千葉ロッテ)、ソン・チャーホウ(楽天)と日本組が中心となる。その一方の野手は林智勝(リン・チーシャン/中信兄弟)や高國輝(カオ・グォフェイ/富邦)ら台湾球界を代表する選手達が打線をけん引することになっている。
本戦開幕まで約1ヶ月。2月からは豪州合宿で5試合の実践経験を積み、台湾に戻ってからはキューバと壮行試合を行う。侍ジャパンとは違って1試合でも多く試合をして本番に備えるというスタイルを貫いているのだ。
台湾代表は最終メンバーの選考のために12月14日から合宿を行っていた。その時には既に候補を32人までに絞って選手達の調子を見極めていた。その中にはチェン・グァンユウはもちろんのこと、愛媛マンダリンパイレーツでプレーしていた陽建福(ヤン・チェンフー/統一)の姿もあった。郭泰源監督によると投手陣の調整は比較的に遅く、選考に少し時間を要したようだ。
今回の豪州合宿での目標は先発投手の調子を見極め、大会用のローテを考えること。WBCでは球数制限も設けられていることから誰が何イニングを投げて誰に繋ぐのか、という想定も必要になってくる。合宿中の試合結果によっては更なる選手入れ替えの可能性も示唆されている。
郭泰源監督からも先発の中心は郭俊麟とチェン・グァンユウ、そしてソン・チャーホウの3人だと話している。台湾代表が大会を勝ち抜くためには彼らの力が不可欠だ。もし、この中で1人でも調子を崩したりすればチームにとって「死」を意味することになるだろう。日本のファンにとっては馴染みのある3人でぜひとも躍動する姿を見たいが、心配にもなってくる。
一次ラウンドでは韓国・オランダ・イスラエルと対戦する。韓国もケガ人など選手の入れ替えに苦労しているために本戦ではどうなるかは不明だ。その一方でオランダはディディ・グレゴリアス(ヤンキース)をはじめとするメジャーリーガー達が合流することになっており強力だ。1番戦力が予想できないイスラエルは既に10人のメジャー・マイナー経験者を集めたと情報が入っている。東京ラウンドよりもソウルラウンドのほうが激戦になるのではないか。
以前から「投手陣が弱い」と心配されている台湾代表。チームの雰囲気はよいと話す郭泰源監督はこの不安を払しょくすることができるのか、その手腕が試される。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/860186