壮行試合 or 交流戦!?
WBC開幕までちょうど1週間となった。侍ジャパンは先日のソフトバンクとの練習試合で完封負けを喫したが、気持ちを切り替えて明日28日からCPBL選抜と壮行試合を行う。昨年3月同様に台湾プロ野球から選抜された選手達が集まり、2試合をこなす。今回はWBCに出場しないLamigoモンキーズ所属者が中心を担うことになり、先日行われた千葉ロッテとの交流戦からあまり間を置かずに再来日となった。
写真:第1戦に先発する両投手
(出典:CPBL中華職棒 https://www.facebook.com/heartbaseball/?fref=ts)
既にCPBL選抜のスタメンが発表されており、先発は王溢正(ワン・イーゼン/Lamigo)が務める。昨年の強化試合でも第1戦で先発しており、もうお馴染みの投手だ。昨年はチームの先発ローテーションの一角として23試合に登板して7勝を挙げた。2年連続の2桁勝利とはいかなかったが、投手陣には絶対に欠かせない存在となっている。
その一方で打線の注目は昨年打率4割を達成した王柏融(ワン・ポーロン/Lamigo)で石垣島での交流戦第1戦では2打席連続弾と大活躍。三塁側に陣取っていたLamigoファンを熱狂させた。今回はWBCに出場できないことを残念がっているが、以前から待ち望んでいた藤浪晋太郎(阪神)と対戦できる可能性がある。明日は3番打者として打線をけん引する。
CPBL選抜は昨日27日に福岡入りし、タマスタ筑後で練習を行っていた。その中で国際試合の経験が豊富な捕手・高志綱(カオ・ツーガン/統一)は「まだ正式な国際試合で日本に勝ったことがない。なので今回は必ず勝ちたい。交流戦という一環だが、多くのファンに最高の試合を見せたいと思う」と話している。
ここでまた1つの疑問が浮かび上がる。今回の試合は壮行試合なのか、それとも交流戦なのかよくわからない。昨年は侍ジャパンとCPBL選抜との間に明らかな認識違いがあった。当時は日本側にとって「強化試合」だったが、台湾側にとっては「交流戦」だった。 しかも完全に侍ジャパンが主導であり、台湾側の要望を聞かず台湾のファンの応援スタイルを制限した。その結果、表向きは日台友好という形で終わったものの、その裏では台湾から批判の声もあった。
今回は台湾各球団のチアリーダー選抜も参加することになり、試合だけではなくファン同士も「対決」することになった。このように考えると今年も「交流戦」だと思う。
ほかにも心配している点がある。それはCPBL選抜投手陣のボール適応だ。彼らはWBC台湾代表ではないため、普段はWBC球を使用しない。練習するにしてもわずか数日だけだ。昨年11月に開催された侍ジャパンの強化試合のように制球が定まらず苦戦していた。果たして明日の試合に調整は間に合ったのだろうか。
たとえボールが違おうが、試合の位置づけが何であろうが野球の試合には変わりない。対戦するCPBL選抜はスタメン9人中、7人がLamigoの選手だ。4番打者は台湾球界で人気No.1の選手である彭政閔(ポン・ジェンミン/中信兄弟)が務めることになっているが、ほぼ侍ジャパン対Lamigoだ。もう本番も間近に迫っていることから結果にこだわる時期にも来ている。たとえ敗れても大きな収穫になる好試合を期待したい。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/874724