苦戦する異文化理解。
WBCが終了し、日本・韓国・アメリカのシーズン開幕が目前まで迫ってきた。台湾球界は一足先に25日から始まっており、昨年の台湾シリーズを制した義大ライノズが新球団「富邦ガーディアンズ」としてスタートを切った。運命の開幕戦は8対5と昨季に前期優勝した中信兄弟に勝利して歴史的1勝を挙げた。
その富邦に敗れた中信兄弟。今年から首脳陣を刷新し、一・二軍合わせて16人の指導者のうち半分の8人が海外出身者という異色な光景となっている。ちなみに新たにチームを率いるのはコーリー・スナイダーで現役時代は外野手としてインディアンズやホワイトソックスなど5球団に所属した経験がある。メジャー経験はないが、指導者として手腕を発揮し、マリナーズ3Aのコーチやメキシカンリーグの「ペリコス・デ・プエブラ」を30年ぶりの優勝に導いている。
映像:中信兄弟の監督になったスナイダー
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=0iraO-vVY80)
27日現在で中信兄弟は2連敗を喫している。開幕戦で富邦に負けた後は統一ライオンズに 4対13と大敗した。続く試合は29日の富邦戦でまずはシーズン初勝利を目指す。新監督の方針に困惑する声があるという。特に球場入り後の行動についてだ。
25日はビジターゲームだったこともあり、昼の12時に富邦のホームである台北・新荘球場に到着した。その後はすぐに練習開始、といきたいところだがそうはせずに2時間の休憩をとっていたという。その翌日はチームのホーム開幕戦で台中・インターコンチネンタル球場だった。12時30分に球場入りしたが、ここでも練習せずに14時まで休ませていた。
これは試合前練習に限ったことではなく、試合終了後1時間後には帰宅するようにチーム内で決めているという。スナイダー監督は必ず選手やコーチ、関係者全員を先に帰してから最後に帰るのだからこれだけを考えると協調性を重んじている良い指導者のように感じる。
しかしこのやり方はアメリカ方式であり、なかなか台湾にはフィットしないようだ。普段は試合開始4時間前に球団関係者が球場入りし、準備を進めるという。球団側からすると選手達のことを考えて早めに球場入りすることはよいが、これまで体験したことでないであろうチームの動きに戸惑っている。
今年から海外出身の指導者が増えたために通訳を増やした。しかし、開幕後すぐに明らかになったこと「異文化の違い」を理解するには時間を要するだろう。選手達からすればこれまでのルーティーンを崩されてしまうことになる。
昨年は台湾シリーズに進出したものの、2連勝からの4連敗と残念な結果となった中信兄弟。これもチームが変わるための第一歩となることを願いたい。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/893107