博物館でカバーした野球エネルギー。
しばらくご無沙汰になってしまったが、約4ヶ月にぶりに再開する。4月からメジャーリーグ関係のシゴトが始まったこともあり、選手やチームのことについて学ぶ日々が続いていた。この間は韓国や台湾球界の情報を同時進行で追っていたが、以前と比べるとその頻度が減ってしまった。以前の感覚を取り戻すために休みの合間を縫って6月29日午後から1泊2日の弾丸日程で韓国へ渡った。
今回はそのレポートから振り返っていきたい。
元々は韓国に行くか、台湾に行くかで迷っていたがLamigoモンキーズの前期優勝が決まったことを機に韓国に行くことにした。ちょうど6月30日にはソフトバンク三軍の遠征があったことも決め手となった。行先は釜山とコヤン(高陽)で韓国プロ野球のロッテジャイアンツ対LGツインズ、ソフトバンク三軍対NCダイノス二軍の試合を見に行った。
初日は釜山へ。金海空港からロッテジャイアンツの本拠地サジク球場までは地下鉄を乗り継いで約30分ほどの場所にある。
最寄り駅の「サジク」からは歩いて約5分ほど。球場に通じる道では次のようなものがあった。
下には「野球通り」と書いている。日本でもよくある「〇〇通り」と同じものでこの地区は野球で町おこしをしている。よく町中の広告にはロッテの選手が起用されており、市内バスの広告にはレギュラー捕手のカン・ミンホの写真があった。以前は韓国球界一の応援を誇っていたこのチームも近年の低迷によりファンが減っているというのが現状だ。
球場に到着したときは試合開始約1時間前。その間、球団の歴史を学ぶことができる「ロッテジャイアンツミュージアム」に立ち寄った。
球団の軌跡をたどることができる貴重な場所で鉄腕と呼ばれているチェ・ドンウォンをはじめ、時代を築いた伝説選手のことも知ることができる。
たとえ韓国語が読めないとしても展示されているトロフィーや記念品で何となくその選手が偉大だったことは予測できる。ロッテジャイアンツといえばイ・デホがチームの顔といえる。今年から再度、背番号10を着用し、打線をけん引している。日本球界移籍前に三冠王に輝いたことやゴールドグラブ賞(韓国では守備のことではなく、ベストナインを指す)を獲得した実績もあり、現役選手でありながら大々的に彼を扱っているのだ。
こうして集合写真をみるとやはりイ・デホの存在感は別格だ。体型だけではなく、選手の威圧感がある。韓国や日本、そしてアメリカと3ヵ国の球界を経験したこともあり、プレーだけではなく、全体の精神的支柱となっている。
ぐるりと博物館を一周した後、球場の中に入るも強い雨が降ってきたバックスクリーンには「雨により試合開始が遅れます」と表示が出された。
この試合は18時30分から試合開始だったが、19時頃には中止が決まりファンは早々と球場を後にした。韓国の観戦スタイルはチキンとビールのセットの「チメク」が人気だが、野球が見れないこともあり球場外のチキンのお店に集結していた。
自身は現地の友人の案内でサジクから少し離れたチキンの店で野球談議をしていた。互いに尊敬する元プロ野球選手の存在があった。約3時間のほとんどをその人の話で終わることになるのだ。
いきなり波乱の韓国旅となった。