キャリアは異国の地で。
現役を終えた野球選手の理想的なセカンドキャリアはそのまま野球のシゴトに関わることだろう。指導者や解説者、裏方などプレーはしなくとも縁の下の力持ちとして活躍する。
日本でプレーし、引退した助っ人選手の中には母国ではなく異国の地で指導者としてキャリアを積み重ねている場合もある。その中の1人がトミー・クルーズ(元日本ハム)だ。
映像:中信兄弟コーチ時代のクルーズ
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=nv_L_pUJbgA)
現役時代はメジャーでわずか7試合の出場に終わったものの、日本では日本ハムに80年から85年まで在籍し、81年のリーグ優勝にも貢献したことでファンの中で記憶に残る助っ人の1人となった。通算成績は打率.310 120本塁打 446打点だった。
台湾との関わりは14年、社会人チームの崇越ファルコンズの打撃コーチ就任だった。同年冬に初開催された21Uワールドカップで台湾代表のコーチを務めたことをきっかけにアマチュア代表の指導機会が増えた。普段はプロ野球、中信兄弟のユニフォームを着ているが、夏場やオフになると代表のユニフォームを着て高校生や大学生に熱視線を送っていた。
こうしたアマチュアでの指導経験はもちろん、プロでも中信兄弟を優勝に導いた実績を持つクルーズは台湾で大人気だ。今季からは富邦ガーディアンスの臨時一軍打撃コーチに就任することがきまった。期間は1月25日から4月末までとなる。
富邦関係者は「クルーズには12月からコーチのオファーをしていた。彼は5月になればインドネシアでのアジア大会に向けてチームを離れることになるが、終了後はまた戻ってきてほしい」と臨時コーチという立場ながら彼に対する期待は大きい。
日本ではこのように海外出身者がコーチを長年に渡って務める事例はとても珍しい。その点、台湾は良いと思ったものは積極的に取り入れる寛容な文化だ。これもクルーズが指導者としてのキャリアを積み重ねることができている要因の1つだろう。
2月で67歳となるクルーズ。野球への情熱は尽きることがない。
出典元:
https://sports.ettoday.net/news/1086805