新シーズンの準備スタート。
日本より南側にある台湾はこの時期、野球のキャンプ地に最適な場所だ。ここでは台湾球団各球団をはじめ、韓国や中国からもトレーニングをしに選手たちが訪れる。本日1月15日、球団2年目を迎えた富邦ガーディアンズのキャンプが始まった。
昨年の全体成績は最下位だったものの、今や台湾球界歴代No.1助っ人といっても過言ではないマイク・ローリーの活躍が目立った。今年は彼だけの力に頼ってはならず、野手陣も活躍しなければならない。そこで球団はキャンプ初日に驚くべき発表を行った。中信兄弟を戦力外になった4選手を一気に加入させたというのだ。それが蔣智賢(チャン・ズーシェン)、張正偉(チャン・チェンウェイ)、林煜清(リン・ユーチン)、陳鴻文(チェン・ホンウェン)だ。
中信兄弟はシーズン終盤に監督との対立や選手たちの素行が問題となり昨年のWBC台湾代表を担った選手も含め計7人が戦力外になった。特に張正偉はベストナインに選出されながらもチームを去ることになっていた。彼らはプレーの質が衰えたというよりかはチームの輪を乱したという意味合いが大きい。
野手である蔣智賢は左打ちの内野手で15年は高知ファイティングドッグスにも所属していた。昨年は89試合で打率.335 21本塁打 74打点だった。また、張正偉も同じく左打ちで安打製造機の選手だ。彼も同じく89試合で打率.317 1本塁打 35打点だ。
一方の投手である残りの2人、林煜清はリリーフ右腕で最速147キロの速球の持ち主だ。昨年は37試合で5勝4敗4ホールド 防御率6.95。陳鴻文は台湾球界を代表する守護神の1人だったが、昨年は14年以来となる先発登板もするようになった。38試合で2勝4敗9セーブ 防御率5.81だった。通算セーブは「51」を記録している。
ちなみに蔣智賢は現在、オーストラリアリーグに参加中のため合流は今月下旬になるとみられている。シドニーブルーソックスに所属し、32試合に出場して打率.391 10本塁打 44打点と絶好調で今のところはリーグ打点王となっている。
実績がある4選手を加えたことで富邦は2年目の逆襲に向けて大きな戦力を得た。中信兄弟からFA移籍してきたと思えばチームにとってはとてもお得な選手たちになるだろう。プレーする4選手も台湾球界に戻ることが決定したことで安心しているはずだ。今季の戦いに期待したい。