形だけのイベントはするな。
自身は毎年のように楽しみにしているイベントがある。それは埼玉西武ライオンズが行っている台湾・統一ライオンズとのコラボイベントだ。本日4月12日、来る4月18日にこれを開催することが発表された。3年連続となる本イベント、台湾球団が関係するのであればぜひとも足を運びたい。
西武の公式HPをみると西武の「bluelegends」と統一の「Uni-girls」のコラボダンスをはじめ、グリーディングが予定されている。はっきり言ってしまえばこれらは過去2年間行ってきたものと何も変わっていない。もちろん、同イベントを継続することで両球団の友好関係を保つことは重要ではあるのだが、ただやるだけで形だけならばムリしてやらなくてもいいのではないか。
コラボイベントの詳細を読んでみると西武としては統一ライオンズという球団を日本のファンに身近なものにするのではなく、台湾人の野球ファンに対して球場に足を運んでもらうことを最優先にしているようだ。その証拠に台湾のパスポートを持っている人や統一のファンクラブカードを持っている人にはチケット割引がされる。その一方で日本人に対しては何もないのだ。
「友好イベント」と銘打っておきながら「Uni-girls」やマスコットの「LION」がメットライフドームに来場し自慢のダンスを披露するだけでまったくコラボしている感じがしない。自身が16年に台湾・台南での統一×西武のコラボイベントに足を運んだ際には名前通りの「コラボ」だった。
会場となった台南球場では入場時にジェット風船が配られ、試合中には実際にメットライフドームでよく聞く選手を応援歌を流用したり、7回裏には西武の球団応援歌「吠えろライオンズ」の大合唱など台湾にいるのに所沢にいるような不思議な感覚だったのだ。また、当時の統一の監督が郭泰源だったこともあって彼の西武での活躍ぶりを紹介するコーナーが設けられたり、渡辺久信SDも来場するなど盛大なイベントとなっていた。
その後、日本に戻った自身がメットライフドームでのイベントに参加した際、愕然としたことを今でも覚えている。確かにタオルやTシャツなどグッズはあるものの、日本のファンが統一ライオンズという球団を感じるイベントは「Uni-girls」のダンスだけだった。今年も同様で何も変わらないのだ。
台湾人のファンを球場に呼び込みたいのならわざわざ4月18日の平日に設けるのではなく、4月21日に開催される台湾デーと組み合わせてイベントをするべきだったのではないか。チームは好調とはいえ、平日と休日と比べれば観客動員数に差が出てくる。
台湾人のファンは統一のことを知っているが、日本人のファンは球団やホームタウンの台南のことを知っていても肝心の選手についてはあまり情報がない。友好イベントというのならオマケにせずに西武と統一両球団のよいところを組み合わせてイベントをしてほしい。
てっとり早いのはメットライフドームで台湾式の応援を行うことだ。内野席で行う台湾球団の応援を所沢でもすればよい。これを実現させるくらいの心意気を球団には期待したい。16年、台南では西武応援ツアーの企画が紹介されていたのだが、西武も球団主催の統一応援ツアーをしないだろうか。両球団のファンが応援しあうこと、これが本当の「友好」なのではないだろうか。