【光明】2019年12月-女子野球教室で感じた進む道

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写真:打撃指導をする加藤優外野手

いよいよ2020年は東京五輪の年だ。野球・ソフトボールが久々に同舞台に帰ってくる。これは喜ばしいことであると同時に、五輪終了後のことも考えていく必要がある。なぜなら2024年のパリ五輪ではこれらの競技を見ることができないからだ。

ずっと日本にいると「プロ野球は観客動員数が伸びているし、たとえなくなっても問題ない」と感じることがあるが、その逆に他国にとっては死活問題となる。五輪競技であることは政府からの支援を受ける機会にもなるし、現地で野球発展を目指すには必要不可欠なことになる。

2024年のパリが無理であれば、次なる望みは2028年のロサンゼルス五輪だ。野球復活を目指すのであれば、ぜひ男子だけではなく、女子野球も仲間に入れてほしい。昨年はアジア各国を巡ると同時に女子野球も見るようにした。女子はワールドカップ6連覇と偉業を成し遂げているが、競技普及はまだまだこれからの段階だ。昨年12月、縁あって静岡県で開催された野球教室に足を運んだ。

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写真:昨年12月1日に開催された女子プロ野球選手による野球教室

上の写真にあるように昨年で同イベントは4回目を迎えた。自身は現地入りするまでその事実を知らなかった。

今回、コーチとして女子プロ野球リーグ創設時から活躍してきた小西美加投手(京都フローラ)をはじめ、ベストナインに選出された加藤優外野手(埼玉アストライア)や静岡県出身の浅野桜子、岩見香枝両内野手(共に愛知ディオーネ)、繋ぐ打撃が持ち味の佐々木希内野手(京都フローラ)5名が登場し、片手を使ったトスバッティングや内外野ノック、投球など実演を加えながら丁寧に指導。当時、約2ヶ月前まで実際にグラウンドに立ってプレーしていたプロ野球選手を前に参加した選手達の目は輝いており、技術を1つでも多くを吸収しようと真剣なまなざしで憧れの「先輩」からのアドバイスに耳を傾けていた。

 

野球教室終了後には質問コーナーや閉会式も開催。その中で加藤外野手は「みんなの道しるべになるようにこれからも野球を続けていきます。一緒に頑張っていきましょう」とエールを送った。また、小西投手は「今や女子プロ野球選手の退団など、色々なことが言われていますが、女子野球は何があってもなくなることはありません」と力強く宣言していた。

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写真:野球教室終了後の質問コーナー

 去る11月に選手36名が退団し、リーグ存続の危機と言われた女子プロ野球。今回参加したコーチ陣自身も周囲の影響を心配していたが、その不安を払拭するかのように1日中、和やかな雰囲気で野球教室が行われていた。選手達は今後も女子野球の発展・普及に向けてさらに活動範囲を広げていく。

 

2020年になり、小西投手はブラジルやパラグアイで野球普及(通称:こにたんプロジェクト)を行う。既に現地の子供たちに配るグラブも用意済。出発までに着々と準備を進めている。また、自主トレを国内外で開始している選手やクラウドファンディングで活動資金を集める選手もいるなど、それぞれの道を歩んでいる。

女子野球は昨年のプロ野球騒動で暗いイメージがついてしまった印象だが、決して暗い話題ばかりではない。今年9月にはメキシコでワールドカップがある。プロアマ問わず、参加機会があるため楽しみなイベントの1つだ。

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