最近、イランとアメリカの関係悪化についての報道が増えており、戦争になる可能性も高まってきている。本当に戦争になった場合は、スポーツどころではない。自身の命を守ることが最優先となる。緊張状態が続く両国、この先はどのように進むのか心配だ。
自身は近年、野球をきっかけにして海外の選手や関係者と交流をするようになった。プレーヤーではないものの「野球が強い国から来た人」と認識され、歓迎されることが多い。昨年7月、スリランカで開催された西アジアカップにイランが参加しており、現地で新たな出会いがあった。
日本国内でイランで野球があることを知る機会はきわめて少ないが、以前からイランと日本は関係がある。これは代表監督を務めていた色川冬馬さんの存在が大きい。これまで現地の選手達は「勝つ喜び」を知らずにいたが、色川さんが取り入れた練習メニューをもとに鍛錬を続けた結果、2015年の西アジアカップで準優勝という史上最高成績を残した。
それから4年後。当時の選手の中にはコーチに転身した人もいれば、そのままプレーを続ける人と立場が変わっていた。昨年の西アジアカップで、自身が直接的にイラン野球関係者と話すは初めてだったが、色川さんの名前を出すと彼らはとても喜んでいた。
自身は色川さんの監督時代を映像でしか知らないため、当時の様子を聞いたところ、選手からは次のような答えが返ってきた。
「トーマ(色川さん)が考えた練習は私たちにとって新鮮なものが多かった。厳しい練習もあったけど、そのおかげもあって成長することができた。時間が経った今でも彼に感謝しているよ」
イランは昨年の西アジアカップでは4位となり、惜しくもメダルを逃した。現地の野球協会としては毎年、資金のやりくりが苦しいというが、なんとかこの大会には定期的に参加できている。大会主催のアジア野球連盟の方と「次回大会はイランでやろう!」と盛り上がっていたのが記憶に新しい。実際に昨年大会の開催地を決めるとき、イランも立候補していた話からも可能性は高い。
アメリカと続いている緊張状態の中、実際に昨年出会ったイラン代表のコーチに状況を聞いてみた。そうすると「何事もなければいいね。今のところ野球は国内リーグ選手権が予定されているから影響はないよ」と返事が来た。
イランの選手やコーチとはインスタグラムを通じて連絡しており、写真を載せると反応があるため、確かに大きな影響はないようだ。この先が心配だが、友人の国であるからひたすら無事を祈るのみだ。