写真:2019年フィリピンで開催されたSEA GAMESの野球競技
1月11日、巨人がフィリピンで野球教室を行ったニュースが報道された。これを知ったとき「本当に実現したな」という喜びと驚きがあった。現在のフィリピン野球協会が今後の課題としている小・中学生の育成にフィットしている点で大きな貢献になる。
自身は昨年12月、東南アジア五輪にあたる「SEA GAMES」の野球競技を見にフィリピンを訪れた。大会自体は30回目だが、野球自体は2011年以来、8年ぶりの開催となった。結果、地元・フィリピンがタイを15-2で勝利して頂点に立った。大会期間中、試合を見ながら現地の野球協会の方々と話す機会を得た。
その中で、今のフィリピンは大学野球が中心であること、日本や韓国からの支援を受けながら道具や指導者、選手のスキルを高めていることを聞いた。今後の展望について尋ねると、日本との繋がりをより強くすることを話しており「関西独立リーグとNPB、特に巨人と一緒に何かができたら」と注目発言をしていた。
関西独立リーグ、特に堺シュライクスとは昨年にミーティングを行っており、まだ正式発表はないものの、何かをする可能性が高い。数名の選手は「実現すればワクワクが止まらないよ」と話していた。誕生から革新的なことを実行する同球団はファンに多くの楽しみを届けてくれる。
前述の巨人による野球教室の話題が出たことを考えると、12月の時点では既にイベントの開催が決定していたのだろう。東南アジアで野球振興活動をする柴田章吾さんもサポート講師を務め、最後には480個のボールを寄付するなど大盛況だったようだ。今回は2015年から提携しているJICAも関係しており、提携最終年を迎える2020年初めから1つの形を残した。
野球教室は振興や発展を考えると、必要な要素の1つではあるが、1度きりで終わるのならば、指導者側の自己満足になってしまうのないかと考えている。こうしてフィリピンで活動をしたのならば今後も定期的にサポートする必要があるだろう。
「野球教室をやりました」だけでは終わってほしくない。JICAとの提携が今年で切れるのなら、今後も継続を考えるか、巨人独自で他国の支援ができる体制を整えてはどうだろうか。