写真:杭州アジア大会
(出典:“绍兴大城市规划建设”微信公眾號)
2020年の東京五輪が終わると野球は再び、実施競技から外れる。次回の競技復帰の可能性があるのは2028年のロサンゼルス五輪となる。どの競技をやるかは7年前に決めるそうだから、来年2021年にはある程度の中身が決まることになっている。
一部では、MLBがIOCに非協力的で復帰は難しいとの声もあるものの、ホスト国が世界野球の中心だと考えると望みがある。後は世界的な「普及度」が課題だろうか。実施条件として男子は75ヶ国、4大陸で、女子は40ヶ国、3大陸で広いエリアで行われていることが挙げられる。
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)に加入している国々は約160ヶ国。場所も全大陸を網羅しているものの「広いエリアで行われている」のかが疑問だ。また、160ヶ国とはいえ、競技レベルはまちまちでプロリーグがあるところもあれば、始めたばかりのところもある。ほとんどの国々は、政府からの支援なしで独自で練習や大会を行っている。
もし、五輪復帰が叶わないのであれば、毎年のように普及活動と国際大会の開催が1つの目標となる。先日、Baseball5が2022年のユース五輪で実施されることになったのを皮切りに他の大会でも「野球」を継続的に見せていくことが重要だ。
特にアジア地域においては「アジア大会」の存在が大きなカギを握る。4年おきに開催される「アジア限定五輪」は次回、2022年に中国・杭州である。インドネシアでの前回大会ではラオスが国際大会デビューを飾ったり、香港の選手が韓国プロ投手から本塁打を記録して話題となったものの、次回大会で続けて野球が行われるかは不透明だった。実際に杭州アジア大会の実施競技が初めて発表されたときには野球は入っていなかったが、後に追加されたという。
今回、野球・ソフトボール競技会場の完成予想図が発表され、大会期間中や将来的な球場の運営方法計画の話があった。
写真:杭州アジア大会-野球・ソフトボール競技会場の完成予想図
(出典:“绍兴大城市规划建设”微信公眾號)
発表によると周囲には学校や市役所、ホテルなどの施設があり、将来的には代表チームの練習場所など、野球とソフトボールを中心とした都市発展を目指していくという。昨年11月に訪れた中山でも「野球国際都市」を謳い、地域発展を目指している様子があった。
約10年前の中国は野球こそ存在していたものの、今のような盛り上がりではなかった。昨年からは新たなプロリーグが誕生し、球場も建設された。また、近年ではMLBも選手育成に乗り出している。発展著しい中国野球、この2022年アジア大会でもその成果を見せてくれることだろう。