2020年1月16日、NPBと女子野球界の歴史が動く発表があった。埼玉西武ライオンズが新たに女子野球クラブチーム「ライオンズレディース」を設立すると発表した。チームを率いるのは、球団OBで現在は尚美学園大学女子野球部監督の新谷博氏。埼玉県川越市を拠点とし、関東女子硬式野球連盟が主催する「ヴィーナスリーグ」に参戦する。
ヴィーナスリーグは、高校や大学、社会人クラブチームが一緒に切磋琢磨している。言い換えるならサッカー皇后杯のリーグ戦版だろうか。昨年は川端友紀選手や楢岡美和選手ら元プロ選手や日本代表経験者が在籍する「エイジェック」が初参加し、圧倒的な実力をみせた。今季からライオンズレディースの加入により、体制が大きく変わると聞いている。
今回行われた記者会見では、選手代表として昨年までクラブチーム「侍」でプレーしていた六角彩子選手と「ハナマウイ」でプレーしていた出口彩香選手が出席。2人はこれまで女子野球ワールドカップで活躍した実績がある。今後は1月19日、2月9日のトライアウトを経て選手20人でスタートを切る。
新チーム誕生の話は昨年11月の時点で噂には聞いていた。選手こそ増えているものの、彼女達を受け入れるチームが不足している問題に対して西武に協力を要請し、実現に至った。NPB球団が直接的に女子野球チームを持つのは史上初。他にも楽天イーグルスがクラーク国際高校仙台キャンパスと提携を結んでおり、支援を続けている。
女子野球の発展という意味では、大きな一歩を踏み出した。ライオンズレディースのトライアウトには山崎まり選手など、昨季限りでプロから引退した選手も参加する。しばらくはこのチームが憧れの場となると思っている。後は女子プロ野球リーグとどのように連携していくのかが気がかりだ。
同じ女子野球界の普及・発展を目標にしている同士、プロアマ関係なく連携して全体の発展を期待したい。大人の事情を挟まず、純粋に白球を追いかける選手達を後押しする体制づくりをしていきたいものだ。