写真:2020年最新の男子野球世界ランキング
(出典:WBSC)
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)から最新の野球世界ランキングが発表された。日本は男女ともに1位をキープしている。新たな出来事として、男子では新たに10ヶ国が初めてランクインしており、そのうち7ヶ国がアフリカ大陸からだ。また、女子ではアジア、中南米、欧州から計6ヶ国が名を連ねた。
写真:2020年最新の野球女子世界ランキング
(出典:WBSC)
WBSCが2012年から発表しているこのランキングは、年齢別にカテゴリーが分かれているとはいえ、簡単にいえば「どれだけ国際大会に参加できたか」が重要となる。今回、数多くアフリカ勢がランクインしたのは昨年3月に開催された東京五輪アフリカ予選への出場が大きい。同時に女子でランキングした国々は、パンアメリカン大会や欧州選手権、アジアカップへの参加で得たポイントだ。
ランキング発表を経て、メディアは相変わらず「日本が世界1位!」と報じているが、なぜ1位なのかを説明したほうがよい。もちろん、各カテゴリーで上位成績を収めているからに尽きるとはいえ、このままでは「世界1位だから国際大会で優勝するのは絶対、他国に負けるはずがない」という傲慢さが出てしまう。確かにランキング上では1位ではあるが、これが野球の実力を表しているかは疑問だ。
本当に実力だけで決めているのなら、このランキングは大きく変動するだろう。それを確かめるために実現は難しいが、すべての国と順番に対戦していけばいい。これができれば世界ランキングの価値が高まるとは思うが、不可能なためにこのような決め方をしているのだろう。
現在、WBSCに加入している国々は約160ヶ国。男子のランキングでは過去最多の85ヶ国にポイントが与えられたが、その下にはさらに約75ヶ国ほど控えている状態だ。それは国際大会に参加したことがないという裏付けになる。今後の競技の世界的普及のためにも、すべての国々に表舞台に立つ機会を与えてほしい。
東京五輪が終われば、野球はまた五輪競技から外れる。これが意味するのは「世界的に広く行われている競技ではない」ということだ。何をもって普及・発展しているのかを定義づけするのかは意見が分かれるところだが、ランキングを活用するならWBSC加盟国すべてにポイントが付いていることだと思う。
ランキングの詳細は以下のリンクを参照に。
https://rankings.wbsc.org/