写真:ラオス国内リーグに関わった選手・関係者
(出典:ラオJブラザーズ)
当ブログではアジア野球を幅広く扱っている。もちろん、東南アジアもその中に入っており、最近ではラオスの急激な成長に注目している。昨年12月にフィリピンで見た「SEA GAMES」に参加していた選手達からも「噂に聞く程度だけど、球場もできてリーグ戦も始まったんだね」と驚きの声を聞いた。
1月11日、約2ヶ月にわたって開催された国内リーグ(通称:KOICAカップ)が終了した。参加していたのはラオス国内初の野球チーム「ラオJブラザーズ」ほか、高校や大学チームなど計6チーム。試合の様子はYou tubeでも公開されており、気軽に視聴することができる。ちなみに優勝を飾ったのもラオJブラザーズだった。
映像:ラオス野球リーグの様子
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=8IrN99QwEkA)
国内リーグ戦が終わると次に控えているのが、2月に開催予定の「韓国-ラオス国際野球大会」だ。今年で6回目を迎える今大会は韓国をはじめ、東南アジアのチームを集めての親善試合であり、ラオス人選手の実践経験を養いながら、国内での競技認知度アップを目的としている。チームは大学、社会人チームが中心だが、勝ち負け以前に野球を楽しむことを優先としている。
前回大会は自分も実際に見てきたが、ラオスに駐在して仕事をしている人やその日のためにラオス入りした人で構成された日本人チームも参加しており、国籍を越えて野球という共通言語で交流をしていた姿が印象的だった。昨年はサッカー場で行われていたものの、今年は先月できたばかりの野球場で開催予定。飛び台をマウンド代わりにし、バッティングゲージを設置して試合をしていた昨年とは大きく違い、整備された環境で選手達はプレーできる。
こうしてラオスが成長し続けているのは、韓国プロ野球で初の三冠王に輝いたイ・マンスさんがもつ「社団法人ハルクファウンデーション」とKOICA(韓国のJICA)による支援が大きい。それでも資金面は個人出資がほとんどのため、現在はラオス野球連盟から他国を招待して野球教室や試合を行う余裕は今のところはない。ラオス側は申し出があれば、実施に向けて準備はしてくれる。その代わり、自腹になるがそれでもよいという方や団体は、相談することができるだろう。
また、KOICAは先日、ラオス語の野球教本を発行。今後は学校や図書館など公共施設に配布していくとのことだ。これで野球人口増加に大きく貢献することになる。前述のラオJブラザーズが誕生したのが2013年であり。それ以前は「野球」という言葉すらなかった状況を考えると、とてつもない成長スピードだ。