【衝撃】2020年-プロサッカー選手がつくったパレスチナ野球

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写真:パレスチナ野球・ソフトボール連盟の首脳陣

昨日のブログでは西アジア・中東の野球のことを書いた。記事を公開した後、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のホームページでは、パレスチナ野球・ソフトボール連盟のことを紹介する記事があった。これには自身も驚いた。自身もパレスチナのことは少しだけ書いたが、こうして国際組織から情報が出ると嬉しい気持ちになる。

参考:WBSCでのパレスチナ野球・ソフトボール紹介記事
https://www.wbsc.org/news/federation-focus-the-birth-of-baseballsoftball-in-palestine

パレスチナに野球があることは昨年1月の時点で知っていた。当時はちょうどラオスでの「韓国-ラオス国際野球大会」が終了し、帰国のために空港でまったりとしているときだった。そのとき、Twitterを通じてパレスチナで野球が始まったことを伝える記事を見つけて、野球を教えているのは学校の先生でこの時点で既に女子野球もあることに驚いた。

それから時間が経ち昨年11月、大阪で開かれたWBSC総会でパレスチナの連盟加盟が正式に承認された。総会の前日にBaseball5の普及活動報告会があった際、またまた自身の隣に座っていた人がまさかのパレスチナ野球・ソフトボール連盟の会長だったことも驚いた。

その会長の名前はマフムード・タフェシュさん。彼は元々、プロサッカー選手で当時34歳だった2016年、エジプトにいた。野球はイラクでコーチを務めていた人物から知り、それからYou tubeなどを通じて独自で指導方法を習得したという。

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写真:プロサッカー選手時代のタフェシュさん
(※本人提供)

現在、ガザ地区に住んでいるという彼は、まずはサッカーやバレーボールなど他のスポーツをしている選手達に呼び掛けて野球を始めた。その後は自らのお金を使って野球環境を整備したこともあって今では男女ともにチームがある。女子選手は60人もいるとのこと。中東地域ではイスラム教の観点から女性がスポーツをすることは容易ではないが、他のスポーツと違って身体の接触が少ないことから推進されている競技となっている。

この記事を書くにあたって、久しぶりにタフェシュさんに連絡をとってみたところ、WBSCのページで紹介されたことに喜んでおり、同時に日本に向けて次のメッセージを残してくれた。

「昨年11月に初めて日本を訪れました。とても嬉しく、敬意やおもてなしの心を持った素晴らしい国だと思いました。野球についても、いつかパレスチナの選手が最高の選手が集まっている日本でプレーできる日が来ることを願っています」

パレスチナでは国内リーグを創設など、さらにプレー環境を整えているところだ。次なるステップは国際大会への参加となるだろう。同時にWBSCに加盟したエジプトとともに西アジア・中東地域を盛り上げるために大事な役割を担う。今後も動向に注目していきたい。

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