2月10日は女子プロ野球ファンにとって大きな1日となったのではないか。女子プロ野球リーグから2020年度のリーグ体制について発表があった。その内容としては引き続き4球団で運営していくことや、全チームを京都に集めて試合をすること、夏場にはミックスボールの開催など詳細の説明がされた。
昨年に多くの選手が退団したことで2球団制になるのではないか、との噂もあったがチーム名や数は現状維持となっている。ここで大きく違うのは「わかさ生活」の拠点である京都で京都フローラをはじめ、愛知ディオーネや埼玉アストライアは試合をしていく。また、レイアの選手たちも公式戦に出場することができる。この体制で前後期制の形をとり、前期は45試合、後期は33試合を予定している。開幕日は3月28日、わかさスタジアムでダブルヘッダーとして開催される。
次に試合面において。新たな取り組みとして「リエントリー制」が実施されることになった。これは、1度ベンチへ下がった選手でも再度、出場できるという制度だ。説明によると「プレーを魅せる」という目的のため、たとえば代打や代走で自分の強みを活かす機会をつくるという。
今回は新たな発表が多かった。昨年の時点で実施予定だった新スポーツ「ミックスボール」を改めてやるという。女子プロ野球で新たなスポーツをつくり、普及したいという気持ちからのようで今年は夏場の7、8月、室内で開催していく発表があった。いまいち、どのようなスポーツなのか想像できないが、後日の詳細説明を期待したい。
この日を迎えるまでに女子プロ野球リーグでは色々な調整があったのだろう。大々的ではなかったが、選手の移籍もあり、入団テストで内定をもらっていた選手も無事に入団となった。今年は43人でのスタートとなる。
これらの発表を受けて、財政面から全球団を京都に集めなければならなかったのは仕方ないとは思うが、なぜ今年も「わかさ生活」一社のみの運営になったのだろうか。以前から一社のみで4球団すべての面倒を見るのは無理があり、それぞれに親会社をつけた方がよかったのではないか。昨年途中には協力する企業も募集していたが、いつの間にか頓挫していた。
昨年は当日になって突然の試合日程変更や、レイアを公式戦に出場させないというファンから反感を買う事態が何度もあった。今年はまた新たなスタートと言うように同じことは繰り返さないでほしい。気持ちは初年度と同じで1人からファンを増やしていく形で進んでほしい。
後はメディア露出だろう。一部メディアでは特定の選手ばかり取り上げる愚行もあったが「プレーで魅せる」とリーグが宣言しているように野球に目を向けた報道が増えることを願う。スター選手をつくることは注目を浴びるためには必要だが、まずは定期的に試合を追いかけるメディアがあればよいだろう。そのためには選手はもちろん、運営の結束が必要不可欠だ。
今年で11年目、新たなスタートを切る女子プロ野球。改めて女子選手の憧れとなる場所となるように今後の発展に期待したい。