【研鑽】2020年-堺シュライクスにフィリピン代表投手が合流中

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写真:フィリピン代表のパウロ・マカサエト投手

今、関西独立リーグ(通称:カンドク)にフィリピン代表投手が練習に参加していることをご存じだろうか。去る2月10日から選手たちに混じって共に汗を流しているのは、24歳のパウロ・マカサエト投手。約2週間という短期間だが、日本式の練習を体験し、自身のレベルアップを目指している。

パウロ投手は最速142キロの直球とスライダーとスプリットを操る将来性豊かな投手。本人いわく、ちゃんとしたストレートは投げられないと言っているが、例えるなら「ダイヤのA」に登場する沢村栄純が投げる「ムービングボール」だろうか。来たる3月にアメリカで開催されるWBC予選に出場する予定だ。

彼との出会いは昨年10月に台湾で開かれたアジア選手権。フィリピン側のベンチ付近から練習を眺めていると、ブルペンで調整を終えて戻ってくるところに声をかけたのが始まりだ。そこから2ヶ月後、フィリピンであった東南アジア版五輪「SEA GAMES」で再会し、今回が3回目の対面となる。

当初は堺シュライクスの練習を見学する予定だったが、タイミングが合わず見ることができなかった。しかし、練習後になんとか会えることに。夕食を共にしながらフィリピン代表のことや今後について話した。パウロ投手は堺での練習後にフィリピンに戻り、WBC予選に向けて最終調整を行うそうだ。

今回の代表チームは、先日発表された日本から出場する高山優希投手、カレオン・ジョニル・マラリ外野手の2人に加えて、フィリピン本国とアメリカでプレーしている選手達を招集したミックスチームで挑む。選手選考は最終段階に入っており、既にパウロ投手は出場メンバーに名を連ねている。

食事中は「いただきます」や「寒い」「おいしい」など簡単な日本語を話しており、ちなみに彼が日本語で注文した。このように日本の環境に馴染もうする一所懸命な姿が見られた。実際に彼は大学で日本語を学んでいるため、話すことには抵抗がない。話を進めていくうちに気になったのは、WBC予選後の彼の去就だ。いざ、質問してみると「まだ未定」だという。

「WBCが終わって、もし機会があれば堺に戻りたい」とカムバックを熱望していた。パウロ投手によると日本でプレーすることができれば、自身のさらなるキャリアアップに繋がり、他国のリーグに行くときに有利になるという。彼はフィリピン代表の中にはドイツリーグでプレー経験がある選手がいることも教えてくれた。フィリピン人選手にとって「ジャーニーマン」になることがさらなる選手のレベルアップに繋がっているということだろう。

熱い想いが溢れ出すパウロ投手。既に大阪での生活にも馴染んでいるようにも見えた。堺シュライクスでの残りの時間を楽しみながら技術を吸収し、WBC予選に向けて精一杯、力を発揮してほしい。また日本に戻ってくる日を期待している。

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