【船出】2020年-埼玉西武ライオンズレディース初実践は1勝1敗

【船出】2020年-埼玉西武ライオンズレディース初実践は1勝1敗

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写真:尚美学園大学グラウンド

早いもので2020年も3月に突入した。例年ならばオープン戦や練習試合など、実践の場が増えてシーズン開幕に向けて選手が最終調整をしていく時期だが、今年は残念ながらコロナウィルスの影響もあり、予定通りにはいかない。政府が一定期間、娯楽施設やイベントの休業・中止を呼び掛けたこともあり、全国にその影響が拡がっている。

女子野球界では普段は土日が試合のチャンス。多くのチームで試合中止になる中で、現地観戦に飢えるファンにとって朗報だったのが、埼玉県の尚美学園大学で埼玉西武ライオンズレディースやエイジェック、尚美学園大による三つ巴戦が行われたことだ。

この日はライオンズレディースにとっての初試合となる。第1戦の相手は、川端友紀内野手や磯崎由加里投手など、同様に元プロや日本代表経験者を揃えるエイジェック。2回にライオンズレディースが2点を先取、さらに1点を加えてリードし、7回開始時点で3-2と勝利目前。このまま終了かと思われたが、エイジェックがその裏に2点をとって3-4とサヨナラ負けを喫した。

・・・という情報を得て、自身が実際に現場に到着した時、ライオンズレディースは2戦目の相手となる尚美学園大学と試合をしていた。選手はまだ背番号付きのユニフォームは着ておらず、キャップも全所属チームのものを被る選手もいた。また、周辺にはしっかりとコロナ対策しながら選手を見守るファンが応援に駆けつけていた。カメラを構えている人や試合後にサインを求めようしている人、必死に声援を送る人など様々な姿があった。現状、なかなか現地で試合を見ることができない中で、ファンにとってはまさに喜びを共有する時間となった。

マウンドには昨年まで女子プロ野球・愛知ディオーネに所属していた里綾実投手。先日まで行われていたクラウドファンディングを成功させており、意気揚々とマウンドに立った。実際に自身がその投球を見たのは3回からで、この時点で3-1とライオンズレディースがリードしていた。

里投手が投げているときにはバックネット裏や三塁側からなど、様々な角度から投球を見ていた。変化球を捉えられ、痛打を浴びる場面もあったものの、走者を背負っても要所を締めるというさすが、W杯3大会連続MVPの投球術を披露した。その後はもう1点失ったものの、6回終了で交代するまで相手打線を2点に抑えて試合をつくった。結果は3-2でライオンズレディースが勝利した。

あくまでも自身が試合を見て感じたことではあるが、ライオンズレディースはまだ選手個々の能力が揃っていることもあってまだ「寄せ集めチーム感」があった。メンバーが決まってからまだ1ヶ月も経っておらず、練習時間も少ない中での実践もあってそのように映ったのかもしれない。同時にチームメイトの中でも実力差があるのではとも感じたが、まだ試運転の状態であるため、時間が経つごとに調子も上がっていくことだろう。

試合結果や個々の能力という話は置いておいても、全員が試合をとことん楽しんでいる良い雰囲気だったのが印象的だった。今後は西武の練習施設やさらなる練習試合を通じてシーズンに備えていくことになる。まずはコロナの影響でいつ開幕になるのかを1日でも早く知りたいところ。

選手には安心・万全な状態で来たる開幕を迎えてほしい。新たな船出となったライオンズレディースの初実践は1勝1敗という結果に終わった。

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