「Palacalle」とは何ぞや!?①

「Palacalle」とは何ぞや!?①

□需要度が高まるスペイン語

近年、アメリカ・メジャーリーグではドミニカ共和国やキューバ、ベネズエラなどいわゆる中南米出身の選手の存在感が大きくなっている。その割合は全体の約3割に達しており、チームのベンチでは英語のほか、彼らの母国語であるスペイン語も飛び交っている。

メジャーリーグで活躍している選手もアメリカに行くために事前に英語を学んではいるものの、実際に彼らと話すときにスペイン語を話せば、心を開いてくれるだろう。相手の母国語を学ぶことは相手に対するリスペクトの気持ちを表す行動ではないだろうか。

本題に戻り、タイトルにある「Palacalle」もスペイン語の言葉だ。「パラカイエ」と読み、本来は「para la calle」という表記だが、南米訛りでは「palacalle」となる。その意味は「場外」という意味。野球で場外と言えば場外ホームランだ。日本にはこのスペイン語を冠している野球アカデミー「Palacalle Beisbol」が存在する。

□代表は日米豪野球経験者

「Palacalle Beisbol」の代表の松坂賢氏(本人提供)

「Palacalle Beisbol」の代表を務めるのは松坂賢(まつざかけん)氏。山梨学院大学卒業後にアメリカとオーストラリアでプレーした経験を持つ。捕手として「ヤディアー・モリ―ナを超える」という意識づけでホームベースを死守してきた。

引退後は指導者へと転身し、2019年にはアメリカ独立リーグ「エンパイアリーグ」(※ルーキーリーグに相当)に属するチーム「サラナックレイク・サージ」の監督を務めた。同リーグは約3ヶ月間のリーグで以前は、日本でもトライアウトが開催された。

日本滞在中は自ら講演活動を行いながら「Palacalle Beisbol」で投手・野手関わらず、リトルリーグから大学、社会人、時にはプロ野球選手も指導するなど、幅広く選手を教えることができる。

実際の指導では直接、松坂氏が指導する場合もあるが、オンラインにも対応できる。

□講演参加で感じる魅力

ちなみに筆者はプレーヤーではないものの、よく松坂氏の講演を聞きに行く。野球に関する内容のため、自然と現役選手や現場の指導者が集まるのだが、最近の講演では女性や筆者同様に選手ではないが、野球好きの姿も見かけるようになった。こうした幅広い人が参加できる理由は、技術的な専門性の話だけを推し進めていないことではないだろうか

松坂氏の講演では大きく分けて「心構えの話」と「技術的な話」の2つのテーマがある。同講演では、この心構えは「マインドセット」と呼ばれており、イメージとしては普段からどのような意識づけをするか、ということ。これは野球で成績を残すだけではなく、日常生活における活動でも応用することができる。

技術的な話を聞くとき、周囲には現役選手が多いため、いかに松坂氏の教えを早く吸収しようと自分のものにしようと真剣なまなざしで聞いている。その内容は実際に講演に参加することが1番。ここで一言で伝えるとすれば「野球界で革命を起こすことができる話」ということだ。

松坂氏の講演の様子(写真:豊川遼)

松坂氏はよく講演の最後に話す言葉がある。それが「プロフェッショナル」の定義について。本人曰く「努力や自分と真摯に向き合う姿勢のこと」だという。それが人の態度や姿勢として表れ、専門分野のリーダーを育成できると考えている。

今回の話はとても1回で書ききれないほど、内容が濃い。何度か回数を分けて、今後も紹介していく。

「Palacalle Beisbol」についての詳細は下記まで。

https://palacalle.jp/

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