□2021年3月は女子野球W杯
日本野球は男女ともに1位だ。この1位という意味は世界の野球・ソフトボール連盟を取り仕切る「世界野球ソフトボール連盟(通称:WBSC)」が発表している世界ランキングで1位に入っているということだ。
今回のお話は女子野球について。WBSCのランキングで1位になっている理由の1つが約2年おきに開催されているW杯で圧倒的な強さを発揮していること。日本なんと、大会6連覇中と同時に大会の連勝記録も「30」を数え、他国を圧倒している。
前回のW杯は2018年であり、本来ならば次回は2020年開催のはずだった。しかし、今年は新型コロナウィルスの影響で2度も延期となり、2020年10月現在の最新情報では2021年3月からメキシコ・ティファナで行われる。
次回大会に参加するのは12の国と地域。日本はもちろんのこと、アジアから初出場のフィリピンや欧州からフランスやオランダも名を連ねている。2021年大会で9回目の開催となり、回数を重ねるごとに参加する地域が広がっている。

□動き始めたドミニカ共和国
先述のようにW杯開幕は2021年3月。つまり、本番まで約3、4ヶ月ほどしか残っていない。例年ならば既に代表選手を選出し、練習や強化合宿を行いながらチームを形成しているはずだ。だが、これまで大会日程が不透明な日々が続いていたことにより、各国の始動もまばらな状態になっている。
現状、日本がどのように動くのか方針の発表はない。その間に他国では少しずつW杯に向けて動き始めている。その一国がドミニカ共和国だ。

同国といえば、男子では多くのメジャーリーガーを輩出し、2013年のWBCでは全勝優勝するなど強いイメージがある。その一方で女子野球自体はまだまだ発展途上だ。女子野球のドミニカ共和国代表は2018年にW杯初出場。開幕戦で日本と対戦し、0-8の完封負けを喫したものの、オーストラリアと香港に勝利して2次ラウンドに駒を進めた。その後の試合は全敗し、最終的には大会6位となった。
そして、控えた2021年のW杯。出場予定だった中国の辞退もあり、ワイルドカードで2度目の出場権を得た。巡ってきた再挑戦の切符、過去最高成績を残すため、来たる11月9日から選手選考合宿に突入する。全35人から約2週間で選手を決めるという。
□指揮官は大物選手の父親
今回、ドミニカ共和国の女子野球代表を率いるのはホセ・カノ監督。彼の息子は現在、ニューヨーク・メッツで活躍するロビンソン・カノ内野手だ。ホセ監督自身は投手としてヒューストン・アストロズでプレーした経験をもつ。
また、台湾プロ野球でも投げたことがあり、統一ライオンズと味全ドラゴンズの2球団に在籍していた。ちなみにアストロズでは1年で1勝、台湾では通算5年で25勝を挙げた。
カノ監督によるとすでにドミニカ共和国内で力のある候補選手を集めているという。ある程度の選手に目星をつけながら合宿に入っていく模様だ。果たして一体、誰が代表選手になるのか、2週間後の発表が待ち遠しい。
ドミニカ共和国は先述通り、男子野球で多くの選手が活躍しているため、女子野球についてもいずれは男子のように世界的にも驚異となる国になるのではないかと期待している。今後のカノ監督自身の手腕にも注目したい。