女子野球発展チーム(仮)-海外部門設立へ-

女子野球発展チーム(仮)-海外部門設立へ-
2020年11月18日のヒアリング結果 (豊川遼)

 現在、メンバー集めとヒアリングをしている「女子野球発展チーム(仮)」。2020年12月末までに初期メンバー6人(予定)を集めるために女子野球に対して想いをもつ人や関わっている人に声をかけながら、方向性を定めている。

 構想上、チームは「国内発展」と「海外発展」の2部門に分けてそれぞれで連携しながら進める。今回は海外部門の設立に向けて、海外在住で、国内外で女子野球をプレーした方の想いをヒアリングした。

 この海外部門は、日本が先頭に立って世界の女子野球の普及・発展にどのように取り組み、実行していくかを考える。現状、日本はW杯で6連覇中であり、連勝も脅威の「30」という記録を残している。これは世界に誇れる大記録だ。

 それでも、世界的な競技レベルの発展を考えたときにいつか日本は負けなければならない。もちろん、真剣勝負をしたうえでの「敗戦」であり、この出来事が新しい出発点となると思っている。

 元々、全日本女子野球連盟は国内だけではなく、世界と共に発展していこうという方針があり、実際に代表選手を海外に派遣して野球教室を開催するなど、普及・発展に貢献している。

 こうした活動がきっかけとなり、確実に競技人口や国際大会に出場する選手やチームが増えているものの、筆者は物足りなさがある。なぜなら、実際の国際大会になったとき、日本と海外チームとの実力差が開きすぎているため、戦力均衡の必要性を感じているからだ。

 筆者が2019年11月に中国で観戦した女子野球アジアカップで日本はパキスタンを相手に38得点の完封勝利という試合をした。結果だけを見ると、日本が勝利した事実は喜ぶところなのだが、このまま数年間、戦力差がなくならないままの未来を考えたときにとてつもない恐怖を感じたのだ。

 先述の「日本が先頭に立って…」を実行するにはこれまでの野球教室に加えてプラスアルファのイベントが必要だ。筆者が海外の指導者や選手に女子野球について尋ねるときには必ず、現状の課題と発展について聞いている。この質問の共通した回答は「実践経験を積む必要がある」というものだった。

 海外チームからの要望も聞いたうえで、その要望に応えていくことも日本の役割だ。今は新型コロナウィルスの影響があり、思うように海外を行き来できない状況ではあるが、一部の国ではもうすぐ入国できるようになるようだ。

 その「一部」に女子野球を懸けてみる。「代替案」が実現すれば、日本や海外チーム双方にとって「win-win」になることだろう。詳細が固まり次第、連盟に提案する。

 

 

 

 

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