中東地域のキーマン!? サウジアラビア野球の出現

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□戻ってきた野球界

 気がつけば、もう2021年も11月に突入した。野球界ではポストシーズン、もしくはウインターリーグが始まり、未だにコロナ禍に悩まされる日々が続くも野球は以前の姿を取り戻しつつある。コロナウィルスが登場した当時と比べると状況は好転している。

 その一方でプロリーグがない国々はどうなっているのか。国によっては未だにコロナ禍によって行動制限され、練習ができないところもあれば、逆に練習や国内大会が開催できたところもある。この数週間、これまでの野球旅で出会った野球友達に聞くと、スリランカの軍隊チームは徐々に練習再開、ラオスでは全体で練習、パキスタンでは野球大会を催すことができたそうだ。

 この2年、筆者は海外に行けていない。直接取材はできていないものの、情報収集は続けている。そして11月2日、Twitter巡回をしていると次の気になる投稿を見つけた。

□中東での競技普及開始!?

サウジアラビア野球ソフトボール連盟の投稿

 Google先生に翻訳をお願いしたところ「サウジアラビアとエジプト野球ソフトボール連盟との間で協力覚書に署名する。中東でのゲームを活性化する」と書いていた。両国が協力して競技発展を目指すという理解で大丈夫だ。最近では特にサウジアラビアの活動が視覚的に見えるようになった。

  2021年7月に世界野球ソフトボール連盟(WBSC)がサウジアラビアの加盟が発表された。現状では「仮」加盟であり、2022年に台湾で予定されている総会で正式承認となる。逆にこれまで否決された国は聞いたことがない。実際に筆者が2019年に参加した総会ではすべての新加盟国が承認されていた。

 今はサウジアラビアの動きをTwitterを通じて注目している。約1ヶ月は様子見をしている状態ではあるが、見ているとアメリカと日本がバックアップをしているようだ。1度、英語で質問をしてみたところ、しっかりと英語で返事が来た。最初はアラビア語でしか会話ができないのかと不安に思ったが安心した。2021年11月、つまり今月中に取材する予定だ。

 筆者はサウジアラビアに対して期待していることがある。それは、2034年に開催予定のアジア競技大会で野球競技を開催することだ。同年の大会ではホスト国になっており、今から約13年後と遠い未来の出来事だ。たとえWBSCに加盟したとしても、名前だけの組織で機能していない国々もあるため、実績づくりは大切だ。この13年間までの間にアジア野球連盟(BFA)やその他主催の国際大会に参加できればステップアップとしてはベストだろう。

 今回のエジプトとの連携をどのように活用していくのか。世界的な競技普及のためには、中東地域も外すことはできない。ちなみにエジプトの活動は様子見していると野球よりもソフトボールやBaseball5に注力している印象だ。アラビア語圏の野球、今後の拡がりが楽しみで仕方がない。

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