弘前学院聖愛女子硬式野球部 PR活動決行

弘前学院聖愛女子硬式野球部 PR活動決行

□次なる一手を打つ

 2022年から青森県・弘前学院聖愛高校に女子硬式野球部が誕生する。10月に創部が発表された後は学校の体験入学を通じた野球体験会と県内各地で周知活動を行ってきた。同時に阿部翔太コーチングマネージャーを迎えてさらに行動範囲を広げることに成功した。

 11月20日、次に弘前学院聖愛女子硬式野球部の立ち上げ準備として行ったのは県外での広報活動だ。その場所は宮城県栗原市。広報活動の会場となった築館球場では、東北の中学女子軟式野球チームが一堂に会した秋季大会が開催されていた。

 弘前学院聖愛にとっては東北の女子野球チームと繋がることで情報交換をしたり、女子硬式野球部の存在を周知することで選手たちの進路の選択肢の1つしてもらう絶好の機会だ。同校は来春からの活動スタートに向けて、まずは試合ができる人数まで揃えたい。中学3年生の進路決定のことも考えると約3ヶ月ほどしか時間が残されていない。

 「1人でも多くの人に学校名と女子硬式野球部の存在を周知する」そのためには立ち上げメンバー自ら現場に足を運び、アピールをする必要がある。実際にこの日は朝6時30分に弘前を出発して会場の築館に向かった。すべては選手に選択肢を提供するために。

□各チームへご挨拶

 本来、阿部コーチングマネージャーも参加予定だったものの、それが叶わなくなってしまった。そのため、代打として同行することになったのが筆者だった。弘前学院聖愛男子硬式野球部の太田淳(おおたあつし)部長の車に揺られること約3時間半後、無事に会場に到着することができた。

 会場となった築館球場はグラウンドが2面あり、同時進行で試合を行うことができる。スタンド付きのグラウンドでは青森ゴールデンボンバーズと山形スマイルガールズの試合が進行中。スコアを見たときには既に15-0の大差であり、時間が進んで試合終了時には28-1と恐ろしい点数差となっていた。

東北女子野球連盟秋季大会

 試合終了後こそが我々の活動開始の時だ。各チームが試合終了後のミーティングを終えたときを見計らって太田部長がチームの指導者に挨拶。弘前学院聖愛の学校案内や女子硬式野球部のチラシが入った封筒を真心込めて手渡ししていた。同時に各県の女子野球の情報交換をしながら、東北全体で女子野球発展のためにその道を模索する。

 

広報活動をする太田淳 弘前学院聖愛男子硬式野球部部長

 現在では秋田を除き、東北5県に高校に女子硬式野球部が存在する。これは弘前学院聖愛のような来春から始動するところも含めてのこと。11月ということもあり、既に進路先を決めた選手や悩んでいる選手がいたりと様々なようだ。1つ変わった点があるとすれば、参加チームの地元に女子野球が続けられる環境ができたことだろう。そのまま地元の高校に進学する選手もいる。

 こうして試合終了と同時に各チームに挨拶することで出場全7チームとコンタクトに成功した。無事に目的を達成して再度、約3時間半の道のりを通って弘前へと帰還した。こうして振り返ると今回の会場訪問には2つの目的があった。1つは弘前学院聖愛の周知活動、もう1つは来たる11月28日に同校グラウンドで開催される「女子野球交流会」の告知のためでもあった。

 弘前学院聖愛は青森県初の女子硬式野球部創設する高校として、大きな役割を担っている。現在の立ち上げ準備から今後の活動に至るまで失敗が許されない。なぜなら今後、県内で同じく女子硬式野球部をつくるであろう高校の参考になるからだ。県内の女子野球文化を根付かせることができるかどうかは、まさしく弘前学院聖愛にかかっていると言ってもよいだろう。

□今後の構想

 来たる11月28日の女子野球交流会では上記のお知らせの通り、参加対象は野球をやりたい小中学生としている。青森県には女子軟式野球チームの青森ゴールデンボンバーズがあるものの、まだまだ女の子が野球する環境が整っていない。まずは中学3年生限定だけではなく、東北各地から純粋に野球をする女の子と一緒に野球をする場所をつくる。

 この交流会終了後の具体的な予定はまだ決まっていない。最近、弘前学院聖愛と関わりを持つようになってからずっと考えていることは「聖愛女子硬式野球部としての特色」だ。阿部コーチングマネージャーの人脈を活かして国際交流を推すか、それとも別なことをするか。筆者自身もアジア諸国と繋がりがあるだけに国際交流の部分では協力できると思う。

 来春始動となる弘前学院聖愛女子硬式野球部。始動まで残された時間は少ないものの、最後までできることを継続してスタートの時を迎えたい。筆者も同校に関わる機会が多くなるため、動きがあればその都度、レポートしていく。

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