取材記事から約2年後
基本、筆者がアジア野球はじめ、世界の野球情報を集める際にはTwitterを利用している。その中でよく、タイムラインに流れてくるのはブータン野球の情報だ。
同国といえば一時期「幸せの国」としてメディアにも取り上げられたことも。過去、当サイトでもこの国の野球について書いたことがある。
上記の記事を書いたのは2020年であるから、約2年経った今はどう変わったのだろうか。当時と比べると野球競技の認知度アップが最優先課題というのは変わっていない。
それでも、変わったのはU15やU18といったユース年代のリーグ戦を始めたこと。そして、スポンサー集めも少しずつ成果を出し始めている。
現在のターゲットはトップチームの創設というよりも、子供たちにむけての競技普及を目指している。
ブータンの国民的スポーツといえば、アーチェリーであり、近年ではサッカーも人気だという。その中で野球はまだ新しいスポーツとして、まだ認知度は低い。
日本にある支援団体の存在
アジア野球の区分でいえば、ブータンはパキスタンやインドが属する「西アジア」に分類される。
まだ国際大会への参加経験はないが、子供たちへの競技紹介を経て、U15代表から世界デビューとなるだろう。実際にU15の代表チームだけはいち早く創設したというから驚きだ。
野球発展のために試行錯誤しているブータン。実は日本にもこの国の野球を支援する団体が存在している。それが「ブータンの野球とソフトボールを支援する会」だ。
ちなみに当団体は元々、旅行会社でありブータンをはじめ、ネパールやインドなど近隣諸国とも取引きを行っている。
団体のホームページに行ってみるとブータンに存在する野球チームの紹介であったり、支援活動の詳細が書かれている。
他にも同国を支援している団体を探してみたが、特に見当たらなかった。つまり、唯一無二の存在なのだ。
そして、最近のブータン野球の活動を見てみるとウインターキャンプとして、子供たちを対象に野球教室を行っていた。
写真を見ると女の子の参加が多く、将来的な女子野球チームの誕生も期待できる。こうした競技普及はすぐにできることではないため、国際大会デビューはまだしばらく先の話になる。
それでも一歩ずつ前に進んでいくブータン野球の姿には感動する。
「ブータンの野球とソフトボールを支援する会」として、ブータン国内で野球の試合を見せる機会や道具集めなどやるべきことは数多い。
これらは発展途上国にとって共通の課題だ。一過性ではなく、継続的に支援を続けていけば、必ず道は開ける。
筆者も引き続き、同国の野球の成長を追っていく。