エチオピアで女子野球チームが誕生していた話

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エチオピアで韓国が支援継続

2023年は世界の野球界にとって復活の年となる。来たるWBCをはじめ、アジア地域でも国際大会が少しずつ開催される予定だ。

これまではコロナ渦によって、延期や中止の連続であったがやっと元に戻れると安堵の気持ちでいる。

これは男子野球のことだけではなく、女子野球にとっても同様だ。2018年を最後に行われていなかったワールドカップも復活し、この大会に向けた地域予選も行われる。

日本で女子野球が注目され始めている中で、この勢いに乗って世界的な女子野球の成長も期待したい。

世界の女子野球、といえば気になっている国がある。それがアフリカ大陸に位置するエチオピアだ。

国の左隣には南スーダン、下にケニア、その隣にウガンダと野球が存在する国に囲まれている。実はエチオピアには、アフリカ大陸唯一の女子野球チームが存在している。

エチオピアの女子野球チームの名は「LG-KOICA希望チーム」。LGという名前でピンッとくる人もいると思うが、このチームには韓国が支援をしている。

一言で韓国、と言っても規模が大きいため、具体的に団体名を書くと「KOICA」という日本でいうJICAにあたる国際協力組織がいる。

新しい希望を携えて

エチオピア女子野球の様子

エチオピアで女子野球が始まったのは2016年。KOICAは現地の教育制度を支援しようと学校を設立した。

同時にスポーツの分野も充実させようと考案したのが、サークル形式であるものの、女子野球チームをつくることだった。

日常生活で女性が野球をすることに対して、周囲の目は厳しい。エチオピアでは、女性は20代前半で出産をして子育てをしなければならない。

そのため、個人が趣味に時間を費やすことも難しいとされている。そんな中で、チームに参加している選手も両親を説得するのに2年間もかかったというから驚きだ。

両親も説得し、野球を続ける中でエチオピアの女子野球チームは2019年に韓国を訪問したという。

そこでは現地の女子チームと対戦して貴重な試合経験を積んだ。女性が野球を通じて世界に出ることは、現状では限られた、選ばれた人しか実現できない。

女子野球チームが誕生して今年で7年経つことになる。エチオピアチームが次に目指しているのは、2023年下半期に韓国で開催予定の女子野球の国際大会「LGカップ」に参加することだ。

同大会は約2年に1度のペースで開催している。アジア周辺国の女子野球チームを集め、試合経験を積んだり、国際交流することを目的としている。

ちなみに、日本からは「アサヒトラスト」という企業チームが参加している。

新たな挑戦をするエチオピア女子野球チーム。目標としては大会4勝とのことだが、果たして達成できるかどうか。

希望をもってプレーする彼女たちの成長を見る絶好の機会だ。今年のLGカップにはぜひとも注目したい。

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