2023年女子野球W杯
2023年は国際大会が復活する年として、筆者は年が変わった瞬間からワクワクする日々が続いている。
男子だけではなく、女子野球においてもワールドカップ(以下:W杯)が2018年以来となる開催予定のため、久々の大舞台となる。
W杯はこれまで2年に1度のペースで行われていた。新型コロナウィルスがなければ、本来ならば2020年に行われる予定だった。
しかし、度重なる延期により大会そのものが中止となった。その後、大会プラットフォームが変更され、1大会に約3年かけることが決まった。
最初の1年目は各地域での予選、次に2年目はW杯1次ラウンド、最後の3年目は決勝も含めたファイナルラウンドを行う。
今回のW杯の出場国は12ヶ国。これまでに欧州とアメリカ大陸予選を終えて、最後にアジア予選を残す。
出場国は既に7ヶ国決まっているものの、一覧をみると不公平な事態が長年、続いていることに疑問が浮かぶ。今回はこの話だ。
同地区に対戦国がいないオーストラリア
現時点で出場が決まっているのはフランス、ベネズエラ、プエルトリコ、メキシコ、キューバ、カナダ、オーストラリアの7ヶ国だ。
ちなみにカナダはW杯1次ラウンドのホスト国を務めるため、いわゆる「ホスト国」枠だ。ここで書きたいのはもう1つのオーストラリアについてだ。
W杯1次ラウンドの開催地はカナダ・サンダーベイ。昨年12月に情報解禁され、久々の大会開催に歓喜していたのが、カナダ女子野球のSNSページだった。
その中の記事を見て、目を疑ったのが「オセアニア枠」でオーストラリアが選出されていたことだ。
実際、オセアニア地域にはオーストラリアと対戦できる国々がないこと。同国では近年、女子プロ野球リーグを創設の動きや、世界中から女子野球選手を集めて単発の大会も行っている。
競技を普及させ、より発展させようとする動きはよいことだが、W杯は予選を開催する必要がないのが現状だ。
オーストラリアも日本やアメリカ、カナダ、台湾と並んで大会皆勤賞。もちろん、出場国が少ないよりかは多い方がよい。
それでも、女子野球界の頂点といえる大会に自動的に出場できる仕組みに対して疑問しかない。
どうしても地域ごとに代表チームを選出したいのであれば、対戦国を育成していくか、もしくは近隣の予選に混ぜることがよいだろう。
短期的にみればアジア予選に参加、長期的ならニュージーランドやフィジーといった国々に女子野球代表創設を目標にすればよいのではないか。
2022年、現地では日本からも女子野球選手を集めて大会を行ったオーストラリア。この大会中は最速135キロ左腕や制球力抜群の投手、パワー自慢の野手など能力が高い楽しみな選手が数多くいた。
より同国の発展を考えたとき、近隣にライバルとなる国の存在がほしいところだ。
「W杯フリーパス」という点は、疑問が残ったままだが、大会6連覇かつ30連勝中の日本の強力なライバルになりうる国なのがオーストラリアだ。来たるW杯では日豪戦に注目してみたい。