カンボジアには野球に向き合える新しい目標がある

カンボジアには野球に向き合える新しい目標がある

たとえビッグイベントがなくとも

先日の記事で来たる2月にラオスで新しい野球大会「東南アジア5ヶ国野球大会」のことについて紹介した。

当大会はラオスで初めて主催する野球の国際大会であり、タイをはじめ、カンボジアやマレーシア、カンボジア、そしてベトナムとラオスの計5ヶ国が参加する。

この試合開催を知ったときに筆者が感じたことは「よかった!」という安堵の気持ちだった。

なぜなら、東南アジアの国々にとって野球をする新たな目標となったからだ。近年はコロナ渦の影響もあり、予定されていた大会も中止となり国内での練習や試合でしか成長の機会がなかった。

また、同地域のスポーツ界にとって重要な大会にも野球競技がない。

その重要な大会とは東南アジア競技大会(通称:SEA GAMES)で、いわゆる地域の五輪と言える大きなものだ。

2年に1度周期で行われ、会場は持ち回りとなる。筆者も現地入りした2019年大会はフィリピンで開催された。

そして、今回の記事内容のメインとなるカンボジアがSEA GAMESに出場していた。当時は2007年大会以来、12年ぶりに野球競技に参加したという復活の年となった。

そして、次回は自国開催となる2023年大会で力を発揮したいと選手たちは意気込んでいた。しかし、SEA GAMESのホームページを見ると実施予定競技一覧に野球の名前は載っていなかった。

継続的な大会参加へ

カンボジアでは2002年から野球が始まった。多くは日本や韓国といった国々からの支援で成り立っている。

一時期、連盟が分裂するという組織的な問題もあったものの、これも解消されながら、徐々に国際大会への参加や、国内でも大会を継続的に開催できるまでになった。

野球のグラウンドといえば唯一、カンボジア野球連盟会長が持つリゾート地のような大きな施設の中に野球場がある。

もし予定通りに2023年SEA GAMESで野球競技が開催ならば、この球場で試合をする予定だった。

これは東南アジアでの知名度や広がりにも関係するもので、悔しくてならない。

SEA GAMESで野球はできないが、その代わりに前述の「東南アジア5ヶ国野球大会」への参加がある。

最近では大会に向けた練習の他にも新たに韓国からの支援があり、選手のモチベーションも上がったようだ。

気になるのは2月の大会後にカンボジア野球は何を目指すのか。アジア球界において来たる4月にタイで東アジアカップが開催されるという情報を聞いた。

先日、筆者がタイを訪れたとき、現地在住の日本人コーチから直接、聞いた話だ。継続的な大会参加に向けてぜひ、カンボジアにも参加してほしい。

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